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金環日食
 明日5月21日午前7時半ごろ、日本列島太平洋側で金環日食を観測できるという。本州では129年ぶりの金環日食である。東京では7時32分から約5分間観測できるとのこと。明日の雲行きはあやしいが、是非観測できるといい。だが金環日食を直接観ると網膜が焼かれ日食網膜症となるかもしれないので必ず日食グラスを使用するなど注意して欲しい。日食グラスはセブンイレブンなどのコンビニやZoffなどの眼鏡屋さんで購入できる。
 ヘロドトスの『歴史』に日食についての記述がある。メディアとリュディアの戦争の六年目に「ある合戦の折、戦いさなかに突然真昼から夜になってしまった」。この際、「リュディア、メディア両軍とも、昼が夜に変ったのを見ると戦いをやめ、双方ともいやが上に和平を急ぐ気持になった」とある。古代人にとって日食のような天体ショーは戦争をもやめさせるほど不可思議な現象であったのだろう。ちなみのこの時の日食はミレトスのタレスによって予測されていた。日食を正確に分単位で予測できるようになった今でも天体が見せる巨大な運動は人類にとって想像可能域をはるかに超える不可思議な現象である。
 日食のような天体ショーがある度に思いを馳せるのは、この地球に生命体が誕生する以前の日食であり、この地球からすべての生命体がなぎ払われた後の日食である。古代人は自分たちの国家の正統性と日食との間になんらかの関係があると考えていた。でも実際はそうではない。日食は人類や他の生命体といった観測者が存在しなくても発生する。我々個人の人生はもちろんのこと人類なんてなんでもない、全くちっぽけなことだと言いたげに天体の公転運動はやむことを知らない。やがて人類は滅び、遺伝子に継承した記憶も書かれた文字も意味をなさなくなるだろう。そうなっても明日の朝と同じように月は沈黙のまま太陽の光を遮る。それが喜びにも悲しみにもならない朝凪をただ待ち望む。
# by suikageiju | 2012-05-20 20:00 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
司馬遷と伯夷叔齊
 これは鯨が高校2年生時、「なぜ司馬遷は伯夷列伝を『史記』冒頭においたのか?」という二百字課題に作文を提出したときのもの。赤字で「ぜひ、文学部に進んで下さい。書評を読んでいるようです」と書かれたので文学部進学を決めた。
司馬遷と伯夷叔齊

 漢武帝への忠誠と友人李陵への友情から離背の将・李陵を擁護した司馬遷は悶絶の苦痛の宮刑を受ける破目に陥る。
 殷紂王への忠奉と聖君姫晶(原文ママ)への敬意から離反の君・武王の東征を抑止せんとし失敗した伯夷叔齊は首陽山で餓死する。
 黄塵吹き荒れる中原の「徳」を守った三人の生様が司馬遷独特の客観視の中で重複し、また歴史家として致命的な欠陥である主観視のなかで涙した。司馬遷自身が抱いたこの憤りをこの中国全土の知識人に読んで欲しくなった。そうでなければ司馬遷自身の中で憤りが暴発しそうだった。意を決した歴史家は憤りを細かく砕いて文章の香辛料として調合し漢文特有の表情の無い文辞を材料としてこの静かなる爆発物を巻を手に取った者なら誰でもまず読むであろう冒頭に配したのである。



 今読み返すと助詞の連続が多く、力の抜き処をあやまった払いのような文で、若いな、と思う。あと「徳」の意味を間違えている。
# by suikageiju | 2012-05-18 23:35 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
セックスマシーンと敗北者


 安東洪児さんのコピー本。通路を徘徊していたら表紙がカッコイイのでブースにいた人に質問しつつ購入したけれど、読んでみて感嘆。言葉が脈打っている。感性のアンテナをビンビンに張って常に内側に向かって語りかけているトイレ係の生徒が主人公、無法を法とする「学校」、体育教師は殺され、転校生が女子生徒をレイプする、何もかもがイかれた世界。ふつうの学校生活とわりきってはしまえない冷血教室、「なぜ人を殺してはいけないのか?という問いかけに対する正しい解答は禁止をしないと皆が皆ださくなってしまうからだ」(pp.14-15より)、生徒は放課後アクションコマンドに「レイプ」のあるゲームをプレイ、重要なコマンドを「レイプ」や「殺す」よりも下に置かないで(PTSD値が高くなると「レイプ」は「和姦」に変わる)、そしてセックスマシーン転校生との戦闘、報酬としての女性教師レイプ斡旋、読んで楽しい青春学園小説。今のところ第十四回文学フリマ最大の収穫は安東洪児の名を知ったこと。
 これは『文化祭大革命』『学徒出陣』『@ルーザー』も買いたい。ぜひ第十五回文学フリマも参加して欲しい。
# by suikageiju | 2012-05-13 10:16 | 感想 | Trackback | Comments(0)
『-A 05』 &『視姦』
 誰が冷で誰が亜で誰が暦なんてわからないけれど、たぶん全員人妻な冷亜暦さんの新刊。「着想プロットをほかの人に丸投げ」という誰もがやりたくてやれなかった企画を実際に「やってみた」合同誌。著者名などを見ずに読んでみた。

 「水溶観覧車」の憂いを秘めてそれを形にしてしまったような発想と「黒い正方形」の文章がいいと思ったらどちらも暦の人だった。それにしても亜の人はいつもなんでこんなこと考えているんだろう、病んでいるのかな。ちょっと心配になる。ちょんとご飯食べているのかなとか、育児に疲れているのかなとか、まさか幼児虐待していないよねとか(誰が亜の人か分からないけれど)。

 暦の人はあいかわらず読めるね。あと最新情報では変態男性が好きらしい。その暦の人が書いたのが『視姦』である。

# by suikageiju | 2012-05-12 21:57 | 感想 | Trackback | Comments(0)
『文学フリマ非公式ガイドブック小説ガイド』と『耽溺』を古書ビビビさんに納品
 下北沢は古書ビビビさんに『文学フリマ非公式ガイドブック』と鯨鳥三日『耽溺』を納品した。現在、西瓜鯨油社の『物語群』や『コルキータ』も含めて4種の本を古書ビビビさんに委託して、入り口近くに平積みして貰っている。徳川店長の気前の良さに感謝である。

 『文学フリマ非公式ガイドブック』については文学フリマ当日に佐藤ブースにCOMIC ZINさんの営業の方が見えて、委託を提案されたらしいのだけれど納品下限冊数などの理由でお断りして古書ビビビさんに納品したという経緯がある。これは販促しなければと鯨はポップを急造し「探していなかった本、見つかります。」というこのガイドのコピーとともにちゃっかり第十五回文学フリマの宣伝も載せておいた。次の文フリもたくさんお客さんが来ますように。

 納品作業が終わってかつ良で野条さんと食べたあと新宿へ立ち寄り、帰りにまた古書ビビビさんに寄って杉田敦著『メカノ 美学の機械 科学の機械』、青弓社(絶版)を購入した。ちょうどこの手の芸術と思想と機械の接合点のような本を探していたので助かった。下北沢の古書ビビビ、ふらりと立ち寄ったら必要な本が手に入る古書店さんとしても愛用している。

# by suikageiju | 2012-05-12 20:23 | 古書ビビビ | Trackback | Comments(0)
文学フリマ非公式ガイドブックへの反応
 発起人佐藤さんのもと、屋代さん、鯨、そしてblank magazineの野条さんと吉永さんの5人が力をあわせて第十四回文学フリマに向けて制作し、当日会場で146冊頒布した『文学フリマ非公式ガイドブック 小説ガイド』へのtwitter上での反応を集めてみた。結論を言ってしまうと、最初こそとやかく言われていたものの、蓋をあけてみたら結構好評だった。普通は最初好意的に迎えて、実際に固定されてしまったモノができたら貶すというのが定型というか鯨のやり口だけれど、どうやらこの件に関しては逆だったようだ。みんな優しいのだ。

 当日は天気悪かったよね。


 その豆知識書いたのは鯨!


 道具の使い方がうまい男はもてる。


 初参加かー。


 いやいや、おかしいだろ。完売したのはオカダファクシミリさんの小説がおもしろかったからだろ、非公式ガイドブック関係ないよ。


 「取り上げられるよう」じゃなくてもっと正しい方向へ精進して!これが願い。


 みんな同じ思いをかかえているから。鯨も。


 次回は是非。


 ワタリサエコさんの良さが広まって嬉しい。これも反応のひとつ。


 なら推薦して。


 一番かな? 4箇所で置いてあったよ。いつか2階にも置きたい。


 そのうち評論系もしくは一般参加者のかたが引き継いでくれるはず。鯨役の後継者もできているはず。


 推薦されたらそりゃ喜ぶよね。鯨はただオドオドしているだけだった。


 推薦文の長さは長すぎず短かすぎずでいいと思う。


 反対派でちゃんと非公式ガイドブックをdisれる人にもこの本を渡しておこうと思い鯨が自腹を切って渡そうとしたらパセリさんは「ちゃんと払います」と言って購入してくれたので、まさかと思っていたらこのtweetでパセリさんマジ策士と思った。とりあえず「ガイド」二回はダサい。


 小説ガイド@COMITIA100さん、そのものが非公式ガイドの反応なのでこれは反応への反応と反応。


 そういう機能をもてるようにしたい。


 非公式ガイドブックを媒介にしての出会い。


 こういう地道な動きも大事。


 非公式ガイドブックがnomazanさんというおしゃれな本の陳列棚に並べられてしまった事件。当日発売の公式ガイドブックは必ず公平ですが、自薦なので知りたい情報を得にくいだけです。


 2倍くらいの分量になったら索引を考えなければ。


 下北沢で買えるようになるかも?


 選ばれてしまった人のとまどいがよくわかる。



 次回もたぶん非公式ガイドブックやるよ。やるんだよね?

追加分
# by suikageiju | 2012-05-12 00:11 | 文学フリマ | Trackback | Comments(0)
『物語群』と『浄められた花嫁の告白』など
 今日までに観測できた弊社発行物や牟礼鯨が寄稿した作品への感想tweetをまとめてみました。






 読んでいただいたことに、ありがとうございます。『クトゥルフ神話事典』は持っています。
# by suikageiju | 2012-05-11 22:47 | 弊社発行物 | Trackback | Comments(0)
河童チョコ
 ブログで読んだ小説が好みだったのでこっそり買っていた童チョコ。さんの『河童チョコ』伊藤佑弥さんという人が書いている。表紙が気持ち悪くていい。きっと伊藤さんは体温以下で生きている人だと思う。


地味なグッバイ
 実は12pくらいでなんとなく仕掛けというかオチが読めたんだけどオチを知っていても、いや知っているからこそ楽しめたんだと思う。こんなさわやかな青春と学園な一品は鯨にはとても書けない。撮り逃がした季節があまりにも長すぎて、まぶしすぎた。誰も叫んだりはしないよ。

新宿永遠レコ
 自意識過剰な男の子がスマフォに録音した音声をこっそり盗んで聞いている感じ。あ、童貞なんだな、この感覚と何度も振り返る。あ、童貞なんだな、と。ねぇ、伊藤くん。どうして今まで姿を見せなかったの? ずっと君を待っていたんだよ。ねぇ。

いきしている。
 もう夏子をいっそのこと強姦してしまえばいいのに。それとは別のおはなしだけれど、きっと伊藤くんは知っているんだよ、ひどい女の子のことを、よく。だからだよ。待ち続けて待ち続けて、何も得られない無色さを君は知っているんだ。

河童チョコ
 女性は勝手にどこかに行ってしまう。男性にはどこへ行くにも理由がいるけれど、女性にはいらない。だから女性は河童になっていたりする。ああ河童か、それならいいな。君もどう? 河童になって戻ってみない? 河童か。

やめないでやめないで
 90pでもしかしてこの展開はと思ったら91pでまさにそうだったのかどうかわからなくなった。えっ? 言葉にならない声を聴いてしまいました。きっと君が心のなかでなにかを言ったのです。ええ、聴こえませんでした。
# by suikageiju | 2012-05-10 22:34 | 感想 | Trackback | Comments(0)
THE EIGHTH
 古い書物を開いたらとび出てきた人語を解する三羽の兎。そいつらの語る殺人事件の真相とは?

 さて第十四回文学フリマStORy TeLLeR珀亞楓の新作は七人姉妹の生き様を執拗なまでに微に入り細に入り描くことで人間の秘めている狂気を暴こうとしている寓話である。各章では決まって少女たちの美しい肌を一枚一枚剥がしてその醜い肉を露わにしてやろうという作者の意図が見え隠れするけれど、結局露わになるのは作者のほうの卑しいまでの心性の醜さである。そのうえ、七人姉妹という設定なのに「八番目」を出現させている。「八番目」は七人姉妹の醜悪さの受肉化ではない、それは作者自身の投影だ。これは危険な兆候である。どうにかなってしまう前に珀亞楓はどうにかしたほうがいい。だからみんな、まずこれを読め。傑作だ。そして、これは感想ではない、注意喚起だ。

# by suikageiju | 2012-05-09 23:54 | 感想 | Trackback | Comments(0)
そして太陽は燦々と照っていて
 このブログのとある記事をきっかけに知り合った山本清風氏が名刺代わりに渡してきたのがこの名刺文庫である。ブースですこし話しただけでこれは面白い人材だと直感した。ご存じのように鯨の直感はよくあたる。そんな氏が「呑み会に参加したい」と言ったので佐藤さんが人を集めていた文学フリマ非公式ガイドブック打ち上げに招いた。でも山本氏は文学フリマ閉幕後30分たっても待ち合わせ場所に来ず、行方不明になった。佐藤さんやクロフネ3世らと事務局の机の片付けを手伝って時間を潰してもまだ来ないのでDMを飛ばして先に浜松町へ行き、乾杯をはじめる。一時間くらいして山本氏がやってきた。再び乾杯をして初見ということもありひとりひとり自己紹介をはじめる。何を話させても、何を聞かせても面白い男だった。

 書かれた内容よりも書かれた言葉を楽しむタイプの作家だと思ってくれればこれ以上鯨は何も言う必要はないだろう。とりあえずどこかで山本清風氏とむりやり会ってこの名刺文庫をもらい個室トイレでひとりで読むがいい。何を目指しているのかよくわからないけれど、なんとなくところどころ面白い、そんな本だ。「未来のコンドーム」のコンドーム装着機が個人的には好き。そういえば奥付にはこう書いてある。「また乱丁本、落丁本はあたりです」おまえもか。
# by suikageiju | 2012-05-09 23:29 | 感想 | Trackback | Comments(0)
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