兎角毒苺團文学フリマ参加10周年記念アンソロジー。「トキシン」とはサークル名の「毒」を意味するのだろうか。欠食児童こと牟礼鯨も、内海の西岸、両河に挟まれた街メソポタミアで暮らす魔法少女についての掌篇「同毒療法」を寄稿した。
ルルカの点描画、泉由良
言葉、しらずしらず、自分のなかに沈んでいく。
ギフト、恣意セシル
やはり声は毒なのだ。声という伝達手段の盲点を鋭く突いてくる一篇。
紺青の別れ、山本清風
まさにトキシン、という出来のワイン。食品と愛には賞味期限がある。
想像の間隙、高村暦
いくつかの条件をくぐりぬけないとそこにはたどり着けない読書体験。
ネイビー・ブルー、添嶋譲
こういうふうにイメージを覆すと何か得体のしれないものが己のうちに芽生えるよ、ね。
聖料理人、suwazo
大長編のなかの小さな一篇。
虫食ム脳髄、風合文吾
風合節炸裂。
満月ニ毒ヲ飲ム、松本環
字圧すごい。穴とおる、手踊る。
不可視の猫達、ISAM
実験とXファイル。
自殺薬、星いちる
生きたい人はそれなりに、死にたい人もそれなりに。