11月9日、下北沢の
古書ビビビさんに第十七回文学フリマの新刊『
受取拒絶』を納品した。ふりかえればTwitterでのリプライをキッカケにして
2010年1月に『コルキータ』と『掌篇集』を納品したのがはじまりだった。それから数ヶ月、数年して文学フリマに関係する作家、サークルが委託をするようになった。下北沢の古書ビビビさんはタコシェ(中野)、模索舎(新宿)、架空ストア(吉祥寺)と並び文芸同人誌の委託を受け付けてくれる店舗として世に定着していると思う。そして、もうすぐ最初の委託から4年になろうとしている。
2か月とか半年おきという間隔で訪問する度に売上げ報告をいただいている。誰かが下北沢に脚をはこび、古書ビビビさんを訪れ、牟礼鯨の本を買ってくれることに素直に喜び、そして安心している。いくら西瓜鯨油社が日本社会の知的充実のために活動しているとはいえ、所詮は文芸道楽だ。しかし、古書ビビビさんは限られたスペースで商売をしている。決して慈善事業ではない。だからせっかく販売スペースを貸していただいているのに売上げ実績がないのでは申し訳がない。これは単に古書ビビビさんに申し訳が立たないだけではなく、西瓜鯨油社に売上げ実績がないとなれば他の文芸同人サークルの本も置いてもらえないことにもなりかねないのだ。そうやって鯨の力が足りないことを理由に文芸同人の可能性の芽を潰してしまうことはやりきれない。だからこの記事を読んだ人は休日にでも仕事あがりにでも下北沢まで脚をはこび、古書ビビビへ赴いて『受取拒絶』を買って欲しい。これは西瓜鯨油社の、牟礼鯨のためではない。日本の文芸同人サークル全体のために、そしてあなた自身のために、である。ちなみに文芸結社猫の本も置いてある。