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最初のブックエンドに出演した
 10月26日のことだ。文京区白山にある本屋さん、双子のライオン堂さんから発信されたラジオ番組「最初のブックエンド」に牟礼鯨が出演した。西瓜鯨油社の物語作家として、そして文学フリマ非公式ガイドブック編集委員会の責任編集者として。【動画URL(mp4)
 駒込の東洋文庫閲覧室で調べ物をしたあと白山通りを南下して30分弱で春日駅にたどり着いた。15時半に春日駅の地上出入り口で集まって、クロフネ3世さんが会場である双子のライオン堂まで連れて行ってくれると聞いていたからだ。15時28分くらいに待ち合わせ場所に着くとクロフネ3世さんと真乃晴花さんがいた。英国家庭教師っぽい眼鏡女子の真乃さんは第一観覧者である。その後15時30分を過ぎて「恋と童貞」の朝倉氏、文学フリマ事務局の望月代表が現れたので会場へ移動した。
 双子のライオン堂さんは富士見湯という銭湯の近くにある。そこで店長さん、BOOK SHOP LOVERの和氣さん、アナログゲーム倶楽部『獅遊』のKさん、プロデューサーのだいあっとさん、そして橋本さんが鯨たちを待ち受けていた。店の奥にある畳の間を囲み自己紹介と名刺交換をしていると山本清風さんと小泉哉女さんが加わった。ラジオ放送進行のあらましが書かれたA4の紙を下地にスタッフさんとともに番組の企画と構成を練る。このとき、スタッフとゲストがともに打ち解けることができた。それから軽食をとりながら文学フリマ、タトホン、本の杜、コミティア創作文芸嶋、そしてテキレボについて望月代表を中心に談笑した。
 18時20分ごろからマイクテストのために、会場である本屋さん店舗部分に移動する。本棚と本棚の狭間に長テーブルを置いてお互いの肩をぶつけるほどに詰めて座った。鯨の左には望月代表、右には山本清風さん、正面には朝倉氏が座った。緊張のためかゲストたちは紙コップに注がれたミネラルウォーターを頻繁に口に運びながらON AIRを待った。
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 そして放送開始である。第1部は自己紹介と告知のあと、望月代表による文学フリマの紹介、そしていわゆる評論サークルの話をした。そこで文学フリマ非公式ガイドブックとして牟礼鯨も沿革や無名作家を評価する喜びについて話した。BOOK SHOP LOVERで池袋の天狼院書店さんの紹介が終わると1分間の休憩時間があった。そのとき、扉が開き店外で待っていた最高責任編集者・高村暦女史が入店した。女史は第二観覧者である。第2部は創作サークルが小説を書くということについて、本をつくるということについてそれぞれの考えを話した。
 そして20時を少し回ったときに放送が終わった。あとから聴いてみるとゲストのうち望月代表の声が一番聴き取りやすかった。すぐにはどうにもならない声質は別として、たとえば話の最後はわかりやすい単語を出してまとめる(たとえば「ビジランテ」「全身逆鱗人間」など)、もしくは断定口調で締める、といったことに気を配るよう反省しこれからの声の活動を考えていきたい。以下はTwitterのタイムラインで拾えた視聴者さんと視聴し忘れた方の声である。











 今回の放送は良い放送だったと思う。もちろんこれは機材がある程度そろっている放送の環境を知っていることによる自己暗示としての感想だろう。けれどすっかり気をよくした鯨は音声だけで表現することに興味を持った。それは演劇とも違う、身体表現を消した、言葉を声に乗せる表現への興味である。それはよく考えた人だけに伝わる物語の技法とは違う、ただ単に伝えたいことをそのまま「伝える」という技術を修練することである。だから今回の「最初のブックエンド」に出演させていただいたことをきっかけに、あのような本格的な放送まではいかなくてもユーストや生放送を積極的にやっていきたいという思いを抱いた。この思いが鯨の大きな財産となるだろう。
 放送後にドミノピザを頼んでビールを呷る打上げがあり、そこで望月代表から「何でもブログにしちゃうのはすごい」というお言葉をいただき、いちブロガーとしての精神を今に至るまで持ち続けて良かったと思った。
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by suikageiju | 2013-10-27 22:01 | 文学フリマ | Trackback | Comments(0)
タトホン8報告
 タトホンが終わった。タトホン8が終わっただけではなく、タトホンそのものが終わった。浜松町でタトホンが開催されるのが当たり前だった3年間で、これからもそんな当たり前を繰り返しながら人生を送るのだと勝手に思っていた。でも未来は違った。タトホンが終わる。未来にタトホンはもうない。主催のテツイヌさんはこの「タトホン」という作品に終止符を打った。作家なら作品のどこに終止符を打つべきか迷った経験くらいあるだろう。テツイヌさんはその決断を下したのだ。
このイベントは「作品」として作られました
作品には活きがありタイミングがあります
非営利作品として人気が有るから無理やり続けることや不人気だからと打ち切ることを是としません
作品に在るべきタイミングで在るべき事が生まれるだけです
それが喜劇であれ悲劇であれ
終了の言葉

 2010年3月14日、黄色い菜の花が咲き乱れる頃に訪れたタトホン4をふと思い出す。そのとき、鯨は佐藤さんや秋山真琴と出会った。そして別のタトホンで高村暦女史と出会った。あるタトホンではアリスがいた。タトホンはひとりの人間と真っ正面から向きあえるイベントだった。このことの理由として、タトホンが確固たる同人誌即売会管理システムによって運営されるイベントではなく、テツイヌさんという人間味あふれる主催を参加者が人間として最低限の力を発揮して補助していく前提がこのタトホンにあるからだと鯨は考える。タトホンは人間の集団なのだ。
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 浜松町駅を降り都立産業貿易センタービルにたどりつくと既に長蛇の列ができていた。最後のタトホンを見ようと訪れた一般待機列か! タトホンの終焉をこんなに多くの人が祝ってくれるのか! と思ったら5階で開催されるまきまき18というローゼンメイデンの即売会の列だった。
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 2階展示室の入口はガラスで覆われて見通しが良い。タトホン8は、いつものようにサークル参加者が一般待機列を偽装して、11時にまったりと開場した。最初はとまどったこの偽装一般待機列の習慣も今ではすっかり自明のものとなっていた。西瓜鯨油社ブースの隣では佐藤さんがクイズ文体ドン!の準備をしていた。開場後の会場内はTAT-QUESTに参加する人や立ち読みをする人、他サークルに挨拶する人で賑わった。
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サークルすぐろく
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クイズ文体ドン!の衝立
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休憩所。珈琲や緑茶を飲める。
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 コピー紙ラヂヲはいつもより発行回数が多かったと思う。これも多忙なテツイヌさんに代わり、高村暦女史、山川夜高さん、伊藤なむあひ君、みすてーさんが編集や印刷の作業をしたからだろう。終わりつつあるタトホンに「ありがとう」「さようなら」と呼びかけるコメントが目立った。
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 クイズ文体ドン!の結果発表については佐藤さんに任せるとして、鯨の解答である。二番は佐藤さん、四番の「字数オーバー」は山本清風さんというのはすぐに分かったけれど、一番の「コックピット」で青波零也さんを連想してしまい、五番に真乃晴花としたけれど承知の通り外れてしまった。全問正解者はいなかったと聴く。それでも三番を牟礼鯨と正答する人は多かったと都産貿前の解散集会で聴いた。文体はマンガの絵柄のようなもの。文体でよく覚えられていることは作家としてありがたいことだ。こういった参加者が立ち上げた企画に参加してみるのもタトホンの醍醐味である。
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 15時にタトホンが終わって片づけをしたあと15時半からお茶会である。立ち食いしながら双子のライオン堂「最初のブックエンド」のプロデューサーやテキレボの連中、青波零也一派や真乃晴花さんと談笑した。その後、ギンダコハイボール横丁で打ち上げをしたあと、ビックエコーで歌った。テツイヌさんが体調不良で打ち上げに参加できなかったのは残念だった。ビッグエコーでは鈴木真吾さんと佐藤さんが筋肉少女帯を熱唱し、勝手に意気投合していた。
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 タトホンは数百部も本が捌けるわけではないし、数千人の来場者があるような大きなイベントでもない。でもマイナーなジャンルのガレージキット作家さんや特殊な分野で活動しているマンガ家と出会える貴重な場である。それにタトホンは佐藤さんも言っていたように人生に刻まれるイベントだ。鯨がもし今後岐路に立たされて人生を振り返るとしてもタトホンに触れずに語るのは不可能だろう。
 最後に、こんな素晴らしいイベントをつくってきてくれたテツイヌさん、そして参加者のみなさんに喝采と拍手とを捧げる。おつかれさまでした。
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by suikageiju | 2013-10-07 00:59 | タトホン | Trackback | Comments(2)