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ジャージー語
 乳脂率の高いジャージー牛乳やメリヤス地の、田舎の中高生がよく着ている所謂ジャージで知られるジャージー島をご存じだろうか? それはドーヴァー海峡に点在するチャンネル諸島(フランス語ではアングロ・ノルマン諸島)の中心的な島だ。
 国際人工語を学ぶエスペランティストの使命に、少数話者言語と絶滅危惧言語の調査と保護がある。牟礼鯨は少数話者言語の一つであるジャージー語を調査するという使命を帯びて、クロード・カフンの研究者とともに2014年2月末にロンドンのガトウィック空港からジャージー島へ飛んだ。フライトは僅か1時間である。空港から「Town」と呼ばれる島の中心部St. Helierまでは二階建てバスの15号線を使うと30分弱くらいで着く。
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 英仏間のドーヴァー海峡に位置するジャージー代官管轄区はガーンジー代官管轄区とともにノルマンディー公国を形成し、2014年現在大ブリテン女王エリザベス2世をノルマンディー公として戴いている。しかしノンマンディー公国は大ブリテン王国には含まれず、そのためジャージー代官管轄区はマン島とともに王室属領となっている。国ではなく、大ブリテン王=ノルマンディー公という個人に帰属した関係だ。別の言い方をすればジャージー島はノルマンディー公としての大ブリテン王が統治を許された最後のフランス領である。
 ジャージー代官管轄区の主要部分であるジャージー島はフランス・ノルマンディー地方沖合に点在するチャンネル諸島のなかの面積110平方キロメートル強、人口十万人弱の島だ。ジャージー島独自のポンド紙幣で「States of Jersey」と名乗っているように外交と国防の権限はないもののジャージー代官管轄区は独自の法体系と議会を有する半独立国である。ジャージー代官管轄区は行政教区(Parish)という古代的な行政単位によって12の地域に分割され、それぞれの行政教区は選出された委員会(Constable)により運営される。埋葬や婚姻などの記録も行政教区単位で行われる。そんなジャージー島で話されている公式共通語は英語とフランス語だ。一般に飲食店や商店や議会で使用されるのは英語だが、工事現場などで働く労働者からフランス語を聞かされることもあった。
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 また地域的あるいは歴史的には、フランス語の一方言であるノルマン語のそれまたさらに一方言、ジャージー語(Jèrriais)も一部で話され地域言語として公認されている。正確にはジャージー語はノルマン語よりもアングロ・ノルマン語の亜種と言える。ノルマン語もしくはアングロ・ノルマン語はフランス語と類縁関係にあり、ノルマン人の征服以後の中世英語における語彙形成に多大な影響を与えた言語で、英仏間に位置するジャージー島でも勿論話されていた。ジャージー語の文章は一見するとフランス語と見分けがつかないけれど、「parcq」(park)や「hocq」(cape)や「blancq」(blank)などに見られる「cq」の綴りが特徴的でフランス語の語彙と区別できる。また一人称の単数と複数の区別がない。
J'allons abattre les pus hauts bouais dans chu clios. (私たちはこの野原でもっとも高い木を伐ろうとしている。)

 Maro Jonesの『Jèrriais Jersey's Native Tongue』によれば1989年には5,720人いたジャージー語話者も2001年には2,984人までに減り、その3分の2は60歳以上の老人で日常語として使用している人は113人に過ぎないという。この死に絶えつつある言語をジャージー代官管轄区政府とジャージー島の人たちは絶滅から防ごうと学校教育などを利用して保護を図っている。

子供向けの教科書とジ英・英ジ辞書(Les Quennevais branch library)
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ジャージー語初心者向けの冊子『怪物に注意しろ! ジャージー島の幾つかの伝説』(Jersey Library)
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 また島の主都であるSt. Helier市街を散策していてもジャージー語と出会うことがある。

ゴミ箱の表示「紙と雑誌」「缶とプラスチックボトル」「ゴミ」(King street, St. Helier)
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La Vaque dé Jèrri「ジャージーの牛」(Bath street & Peter street, St. Helier)
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 英王室属領でありながらフランス本国に近く、歴史的にはノルマンディー公国として英仏両国関係に翻弄されながら、ナチス・ドイツにも占領されながら、その立地を活かして半独立国として生き残り続けているジャージー島。政治と経済の必要から公用語の地位を英語とフランス語に委ねながらも島独自のジャージー語は、ジャージー代官管轄区の地位が国際社会で守られる限り、強かにこの島で博物館の化石のように自治の象徴として生き残り続けるのだろう。
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by suikageiju | 2014-02-27 07:14 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
非公式ガイドブック2014年春号(通巻第5号)推薦作決定会議
 「非公式」は補集合の代名詞だった。精神的指導者(アイドル)をつくり何かと群れたがる文学フリマ参加者のなかでそういった集合から漏れた嫌われ者クラスタたちの掃き溜めが文学フリマ非公式ガイドブック小説ガイド編集委員会であるはずだった。佐藤、屋代秀樹、牟礼鯨、そういった犬畜生、人外鬼畜、海棲哺乳類がいたころ、「非公式」はなかなかひとつにまとまらず、まだ補集合でいられた。
 でも、今や「非公式」は固有名詞となっている。何かと人望を集めている高村暦、猫をかぶった山本清風、そして銀河系最強の秋山真琴などまずまずの人格者を責任編集者に据えてひとつの集合を為しはじめた。だからだろう、今回から「非公式」ならではのカラーが出来てたように感じられる。もはや補集合には戻れないのか。

 2月16日10時40分ごろ地下鉄神保町駅に着いてホームを歩き扉が閉まったとき、Deity's watchdogと書かれた近江舞子さんの黒いトートバッグを半蔵門線の車内に置き忘れたことに気付いた。文芸同人誌入れとして重宝しており、いつもそれには数冊の文芸同人誌が入っていた。改札口の横にある駅事務室へ行き、駅員さんをけしかけて押上駅と北千住駅で回収作戦を決行したけれど、いずれも失敗した。11時からレイアウト会議であったので神保町交差点の集合場所で待っていた高村暦女史に会いに行き遺失物の件を告げた。11時15分くらいになっていたが、組版係のわたるんはまだ来ていないばかりか遅刻の連絡もないらしい。そこで高村女史の提案により、遺失物のデータベースにそのトートバッグが載って連絡が来るまで神保町のカフェめぐりをすることにした。
 カフェめぐりといっても中に入ったりはしない。犬尾春陽氏に教わった神保町カフェ・リストから非公式の会場に相応しいお店を外観と窓からのぞき見た内装から選ぶだけの作業である。雪の残る靖国通りとすずらん通りを女史のあとに従い歩く。
 それにしても、犬尾氏は迂闊だ。彼女が紹介したお店はほとんど日曜祝日休業だった。神保町は古本街とは言われているけれど、その実態は問屋街である。つまり平日に働く職業人のために賑わう街であり、日曜祝日になんて来るべき街ではないのだ。ましてや珈琲を飲むなんてことは。それは名高きさぼうるが日曜日定休であることから考えて分かるはずだろう。犬尾氏もそうだが、鯨は日曜日に神保町を開催地に選んだ高村女史も迂闊だと思った。会場となったギャラリー珈琲店古瀬戸は日曜日でも開いていた稀な例である。
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 文学フリマ非公式ガイドブック2014年春号(通巻第5号)の推薦作つまり掲載作決定会議は13時半過ぎから高村暦、秋山真琴、伊藤なむあひ、そして遅れてやって来た山本清風、真乃晴花の5人で、名雪大河が描く蛙たちのただなかではじめられていた。そこに牟礼鯨はいない。13時半から14時過ぎまで鯨は再び半蔵門線に乗って黒いトートバッグが見つかったという清澄白河駅までそれを取りに行っていた。今回、鯨はただの一冊も推薦していない。そんな非公式ガイドブックの制作に非協力的な人が会議で口を挟むのも可笑しいので会議よりも遺失物回収を優先させたのだ。もちろん、もう編集サイドからは外れた、ただのオンブスマンでありたいという願望もその選択には込められている。
 遅れて古瀬戸へ向かう。すでに会議は盛り上がりを見せていた。くっつけられた3脚の青い丸テーブルを囲むようにして座り、推薦作を全作品を読んだ責任編集者3人を中心に推薦作一冊ずつにそれぞれが意見を投げかけあっている。伊藤なむあひ、真乃晴花、牟礼鯨、この3人はその場にいるけれど俎上にあがっているすべての作品を読んでいるわけではない。単に偶然買って読んでいたか、それとも現物が目の前のテーブルの上に載っているかして得た情報をもとに、あるいはただ純粋に推薦者が書いた推薦文を読むだけで議論に加わっている。これは推薦作そのものへの評価もそうだけれど、それよりもその作品を推す推薦文への評価にも重きを置いているのが非公式ガイドブックだからだ。ゆえに推薦作をあまり知らない人が推薦文を読んでどう思うかを探るためにも未読者の存在はこの会議に必要である。幸運と努力の賜物だろうか、掲載する推薦作はその日のうちに決まった。けれど、まだ容赦がありすぎるように思えた。鯨の主観では「え、こんな本が?」という数作に誰も拒否権を発動しなかったのだ。
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 会議はやがて掲載が決まった推薦作をどの評定担当者にまわすかを決めるテーマに移り変わった。評定担当者は推薦者の推薦文を相対化する。評定文は推薦作への評価を推薦文から読み取れる内容で固定化しないように機能する。その調整を行うという観点で評定担当者の割り振りが決められる。この割り振りにこそ責任編集者ならびに編集委員会の意図が込められている。
 最後には推薦作が載せられている頁以外をどうするかというテーマで話し合われた。いわゆるサークル紹介頁についてである。このとき鯨はその前のテーマで鯨に割り振られた推薦作の評定文をその場で書いていたのでほとんど話を聴いていなかった。ただそこでも厳かな決定が下されたことは確かだろう。
 16時に会議は終わり、その後はミスボドの秋山真琴が持って来たボードゲームを遊ぶ。まずは「詠み人知らず」、次に「藪の中」である。しばらく楽しんだあと、遅れて横浜からやって来た栗山真太朗を迎え、名古屋へ帰る秋山真琴を見送り、パパ・ミラノ神保町店にて無口な6人は歓談した。5月5日の第十八回文学フリマから話題を逸らすことはなかなかできなかった。
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by suikageiju | 2014-02-17 23:40 | 文学フリマ | Trackback | Comments(0)
Invasión 侵入
 大雪のバレンタイン・デーに渋谷の小映画館アップリンクで、アルゼンチン映画「Invasión(侵入)」を観た。金属を引っ掻いたような耳障りな音が常に鳴っている映画だった。最後の場面で、南のレジスタンスたちに銃を渡し彼らを市街戦へと送り出したイレーネ(Irene)の顔のアップとともにまた奇妙な効果音が鳴ってこの映画が好きになった。というのは、映画の序盤は何が起こっているのか分からなかったけれど、観ていくうちに段々と何が起こっているのか理解できて、理解度に比例してこの映画に夢中になっていくからだ。だから最後でこの映画が好きになった。車から飛び出したような感覚になるカメラ回し、夜の場面では地面に水を撒かず光量を減らして黒を濃くするのが記憶に残った。
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侵入者v.s.ドン・ポルフィリオ派
 北東に海岸線を持つ、きっとラテン・アメリカのどこかにある都市国家アキレア(AQUILEA)。この街に白いトレンチコートの男たちがトラックに乗って侵入して来る。白いトレンチコートと言っても白黒映画だからそう見えるだけなので実際はどういう色だか分からない。一方でトレンチコートの侵入者からこの都市国家アキレアを守るべく戦うのは老人ドン・ポルフィリオ(Don Porfirio)率いるレジスタンスである。ドン・ポルフィリオは砂糖ぬきでマテ茶を飲み、家で黒猫ウェンセスラオ(Wenceslao)を飼っている。ドン・ポルフィリオは電話で指示を出す、時には嘘もまじえて。トレンチコートの侵入者はドン・ポルフィリオを殺さない。彼はいつだって孤立無援だから。それに、アキレア市民はドン・ポルフィリオをそんなに支持していないようだ。ドン・ポルフィリオとレジスタンスはアキレア市民のために戦うが市民はむしろトレンチコートの侵入を期待しているのかもしれない。
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エレラとイレーネ
 ドン・ポルフィリオの部下のエレラ(Herrera)は黒スーツを着てドン・ポルフィリオの命令に従い、トレンチコートの侵入者と戦う。ただエレラは「貨車置場へ行け、カフェには寄るな」と言われてもカフェに行ってわざと侵入者に捕まることもあり、それで小隊長格の殺害に成功していたりして、ここでドン・ポルフィリオの命令の虚実はわからなくなった。ドン・ポルフィリオはどこまで計略していたのか。侵入者がトラックでアキレア市内に持ってきた無線装置の破壊に成功したエレラが運悪くまた侵入者に捕らえられても、彼はレジスタンス組織の武器の隠し場所を決して明かさなかった。彼は2度も侵入者に捕縛されながらもその度に逃げ出した。そんなエレラの妻イレーネは夫が昼夜何をしているのか知らない。そしてエレラもイレーネが夜に出歩いていることを知っているが妻が何をしているのか知らない。観客である鯨は、最初イレーネは侵入者の間諜かと思っていた。たぶんエレラもそう疑っていたかもしれない。でもエレラの死後に違うのだと知らされる。
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トレンチコートの侵入者はすごい
 トラックで無線装置をアキレア市内に運んできたり、送信機をスタディアムに設置したり、侵入者の科学力はリボルバーで戦うのが精一杯のドン・ポルフィリオ派をはるかに凌駕している。侵入者はトレンチコートで服装が統一されているのに、レジスタンスは服装に費やす資金がないのか、それともレジスタンスだからかバラバラの私服を着ている。終盤では侵入者は無数の自動車、無数の飛行機、無数の上陸艇、無数のトラック隊(無線装置積載)でアキレア市に侵入する。相手は残ったドン・ポルフィリオとイレーネだけなのに。侵入者の科学力の象徴はそのアジトにあった白黒テレビと電気棒である。白黒テレビが何だかもの凄い未来のモニターのように見える。
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次々と殺されるドン・ポルフィリオの部下
 無線装置の破壊作戦で、「手の静脈を見る」と歌う口髭ギター弾きの死と引き換えに、アキレア市の北北東にある島に侵入者たちをおびき寄せ、ガソリンで彼らを焼き殺すことに成功したドン・ポルフィリオ。しかしトレンチコートの侵入者はその勢力衰えず、次々とドン・ポルフィリオの部下を殺して仕返ししていく。女好きなプレイボーイは女に欺かれても最期まで紳士であったし、「私は盲目だ」と言って銃に気付かず殺された男は脚本のホルヘ・ルイス・ボルヘスを連想させた。また、ドンパチ銃声音のあるウェスタン映画の上映が終わったあと観客が去った映画館で一人残った部下が銃殺されている場面は胸を打った。ドン・ポリフィリオの部下、一人一人の死が印象付けられていた。もちろんスタディアムへ送信機を破壊しに行き増殖するトレンチコートの侵入者たちにタコ殴りにされ芝生コートの上にうち捨てられたエレラの死も。こうして部下は殲滅されレジスタンス側で残ったのはドン・ポルフィリオただ一人となってしまった。と、そう思わせておいて実はエレラの妻イレーネもそしてイレーネとともにアキレア市内で不穏な活動をしていた男たちもドン・ポルフィリオの部下だったのだ。エレラは妻がレジスタンスの仲間であることを知らずに死んでいった。
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文明の侵入
 この映画はドン・ポルフィリオのレジスタンス活動が一敗地に塗れたあとも終わらないことを示して幕切られる。ではアキレア市に侵入するトレンチコートの侵入者とは何なんだろう。きっと侵入者のトレンチコートで画一化された男たちも飛行機の編隊も船舶群もトラックと自動車の隊列も、文化を侵食する巨大な科学文明(とくに北アメリカ大陸のアメリカ合衆国の)を象徴しているのだ。ドン・ポルフィリオのレジスタンス活動はそんなアメリカ合衆国の科学文明に押し潰されそうになりながらもこれに対するアルゼンチンならびにラテン・アメリカ諸国文化の抵抗を描いたのだろう。だから、ドン・ポルフィリオが最後に送り出した、イレーネが動かしていたレジスタンスたちは「南」の人々なのだ。アメリカ合衆国に対してラテン・アメリカが「南」であるように。ドン・ポルフィリオがスタディアムで死んだエレラの遺体に会いに行くとき自宅の鏡に向かい「歳をとりすぎた」と呟く。 そして歳をとりすぎていない、それほど頑固でもないラテン・アメリカの人々はアメリカ合衆国という侵入者を警戒せずに歓迎している向きもある。アキレア市民がそうであるように。だからこそアメリカ合衆国という科学文明の訪れは歳をとりすぎて変われない人や頑固な人にとり「侵入」なのだ。この映画は1960年代のアルゼンチンをとりまく文化情勢と知識人層の焦燥を描いたおとぎ話で、アキレア市は最後まで守ろうとした文化で、戦いはまだ終わっていない。
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Invasión(侵入)
監督:Hugo Santiago Muchnick
脚本:Jorge Luis Borges, Adolfo Bioy Casares, Hugo Santiago Muchnick
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by suikageiju | 2014-02-15 01:40 | ラテンアメリカ文学 | Trackback | Comments(0)
『受取拒絶』売り切れと追加納品
 上野でピザを食べていた2月1日昼過ぎ、古書ビビビの徳川店長より『受取拒絶』が売り切れたとの連絡をもらった。昨年11月11日にこの本を納品して3ヶ月弱のことである。そのため本日2月2日、鯨は下北沢の茶沢通り沿いに聳える古書ビビビ東京総本店へ赴き、『受取拒絶』を追加納品した。買ってくれてこのブログを読んでいる人は鯨に感謝されるのを期待していないことは知っている。だから敢えてこう言う、「買えて良かったね」。
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 今年1月5日に年始挨拶を兼ねて訪問したとき、弊社発行物にハマってくれた女性がいたらしく「毎日買っていきましたよ」と店長から聞いた。この話を意訳すると古書ビビビの近所にお住まいのその女性は弊社の本を買って舐めるように読み、読み終わると下駄を履いてカランコロンと古書ビビビに出かけ「牟礼鯨ください」とほぼ毎日やっていたわけだ。もちろんこれは憶測に過ぎないが、それにしても素晴らしいまでに自堕落な生活である。さすが下北沢、読書センスに長けた人が住んでいる。
 今回よく売れたのにはいくつか理由があるだろう。まず徳川店長の営業手腕。これは外せない。そして山本清風氏や栗山真太朗氏など一緒に文庫フリマに携わる仲間の本が横に並んでいたことも一つの要因であろう。一般書店では見られないような異様な風体をした同型の本が入口すぐの平台に数並んでいるだけで、人の目を惹く。最後に弊社のような文芸サークルの本に感想なり評なりを寄せてくれた方達のtweetなども影響しているかもしれない。
 『受取拒絶』の他にも黄色い表紙の『南武枝線』はまだ在庫があるので古書ビビビでぜひ手に取っていただきたい。「痴漢から始まる恋もある」と思ったらチャンスだ。
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 また、文学フリマ非公式ガイドブック小説ガイド編集委員会の最高責任編集者高村暦女史も古書ビビビに委託したいという希望があったため口利きだけをした。『視姦』の「眼球とは亀頭の隠喩だ」という惹句は鯨が寄稿した解説文の冒頭部分である。

 今回のことで「これからも西瓜鯨油社でずっと書いていきたい」という思いを更新した。休日はぜひ下北沢は古書ビビビへ。その帰りには下北沢に点在するマジックスパイスやスープカレー『心』などのカレー屋で古書や個人出版本を読むのも読書人の嗜みだ。
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by suikageiju | 2014-02-02 20:34 | 古書ビビビ | Trackback | Comments(0)