『
うたかたの日々』や『
心臓抜き』の作者ボリス・ヴィアンの短編集、
古書ビビビさんで購入。一番楽しめたのが「ホノストロフへの旅」で、サテュルヌ・ラミエルが最後に床一面血の海のなかで「私はおしゃべりではないですね」と言うのを読んでゾゾゾとなった。「彼らは全員そこで降りた」のしめくくりでウヘェとなった。本当に降りれたのかよ、と。「のぞき魔」も「蟻」も良かった。この手の作家は最初に『心臓抜き』などから読んでしまうと、わけがわからなくてそれ以降その作家の本を手に取らなくなるかもしれない。鯨は幸運にも『うたかたの日々』からはじめたので読み進めているが、もしボリス・ヴィアンに興味のある方は『人狼』など短編からはじめることを勧める。