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サークル閉鎖。
by 鯨
第十二回文学フリマ感想
 皆様、お疲れ様です。文学フリマが終わって一夜明け、朝になりました。目覚めると自分が夢を見ていたことに気付きました。文学フリマで何があったのかを時系列順に記すことはたやすいでしょう。誰と会ったのか、何を食べたのか、何をしたのか。しかし、それらは文学フリマにとって、本質的なことではありません。もちろん、会場で何を考えたのか、何を話したのか、文学フリマ後の打ち上げで何を語り合い、何を思ったのか、それらもまだまだ皮相的なことです。なので、今朝見た夢をここに引用し、第十二回文学フリマについての感想とさせていただきます。その方法ならば、幾分かは本質に近づけるでしょう。もちろん、夢の記述自身は文学フリマの感想とは言えません。しかし、この夢の記述を読んで、あなたが感じたことが、すなわち鯨にとっての文学フリマの感想であると言えます。それは「正しい鯨の感想」とは言えないかもしれませんが、どんな書き方をしても正しく読めない人にとっては同じ事です。
 都市の外れにある一軒家の2階を一人で借りて住んでいる。2階へは家屋の内部からではなく通りに面した階段から昇る。階段を昇りきると部屋の西側に南を向いて出る。部屋は畳敷きだ。階段を昇りきってすぐ左には冷蔵庫がある。そして部屋の南側には文机が置いてある。北東の隅にはなぜだか学習机がある。目につく家具はそれくらいだ。部屋には三方に硝子窓があり、きっと冬は痛いくらいに寒い。その都市はきっと北方の都市であるはずなのに、借りている部屋の窓から下に見えるのは黒い瓦葺きの屋根である。窓から外の景色を見る。一方(たぶん西)には日本家屋を改造したであろうキリスト教会が見える。この部屋に入るときに教会の内陣を見た。部屋の南方の窓は南側に置かれた文机に光を採り入れるための窓で開けたことはない。東側の窓からは草原が広がる。草は茶色をしているので、季節は秋だろう。ときどきスキーの練習をしている人がいるが、もちろん雪はまだない。でも草の上でもスキーの練習はできる。
 まず事件が起きた。鯨が冷蔵庫を開けると牛乳パックに入った牛乳は腐り、バナナは黒くカチンコチンになっていた。冷蔵庫にはそれ以外の食料品はない。つまり食べられるものはなにもない。鯨は食用に値しないそれらを捨てなければ、と考えた。でも部屋にゴミ箱はない。廃棄物処理の機能はこの部屋には存在しない。ゆえに鯨は西側の窓を開け、牛乳を捨てた。瓦の上を流れる白い牛乳。それから鯨は黒いバナナの皮を剥き、黒いバナナの身を折って、その黒色バナナ片を教会の壁に向かって投げた。すると教会の勝手口にある扉があいて、僧服の男が出てきた。鯨は窓を急いで閉め、部屋の扉の磨り硝子の死角に隠れた。誰かが階段を昇る音がする。2人いる。昇りきると扉の前の踊り場で話し出した。「誰か見えるか」「見えない」「これでは捜索はできない」「なんとしてでも捕まえてくれ。この部屋の者がこちらに何かを投げていた。しっかりと見た」「しかし、この地区は国王のお膝元だ。許可が要る」そう言うと男たちは階段を降りて去っていった。鯨は主に緑で彩られた地図を見ていた。鯨は助かったのだ。それから鯨は買い物に出かけた。強権の支配する都市は冬の気配に怯えているように見えた。
 文机の前で西を頭にして寝る習慣がある。起きると学習机の前に母鯨がいた。そこにいるはずのない母鯨が立っていて、鯨のノートを片っ端から漁り、頁をめくっていた。そして不穏な文言を見つけるとその意味を問いただした。神経質にきつく問いただされたので、鯨はイライラとした。「なんで学校であんなことをしたの。何を考えているの」と怒鳴られるけれど、鯨には何をした記憶もない。そもそもこの夢に学校の場面はなかった。最後に「本当におまえは何を考えているかわからない」と吐き捨てて母鯨は消えた。階段の音はしなかった。鯨は母親が散らかしたノートを片づけた。ノートには子供が書き殴ったような絵が書き連ねられている。鯨はなんだか泣きたいような感覚に襲われ、動揺した。ノートを片付け終わるとそもそもが学校をやめようという話だったのを思い出した。(*学校をやめるエピソードについては記憶が曖昧)

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by suikageiju | 2011-06-13 06:56 | 文学フリマ
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