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サークル閉鎖。
by 鯨
「足元の音」小柳日向
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 福岡ポエイチで絶世の美少女に会った。いや、無理矢理会わされたと言った方がいいだろう。何故?の森井聖大さんが売子さんとして連れてきたのが小柳日向嬢だった。BAR ラジカルで森井御大から聞いて驚いたのだが総合文芸評論雑誌「何故?」には20人ものメンバアがいるらしい。中国正史にありがちな正規軍の誇張表現を使用したのでなければ日本全国に20人もの何故ラー?がいるということになる。その一人が福岡で造形学を学ぶ小柳日向嬢ということだ。首がすっきりと長いのが美少女の条件とすれば、生涯で会ったなかでコルキータ第一版・第二版表紙を飾った美少女と並ぶくらいの美少女だった。ただ鯨の常として絶世の美少女を見たときには何とかして瑕疵を見つけてやろうとして、もしそれを見つけたらその瑕疵に注目するあまり全体を見損ねる嫌いがあり、今回もそんな弱点をさらけ出してしまった。ただ小柳日向嬢が好みの女性かと問われたとしたら「おまえは小柳日向の何を知っているというのだ」と叱責を受けたとしても「いや違うな」と答えただろう。これだけは断じて言える。上半身が反応しても下半身が連動するとは限らないのだ。それにたとえ鯨の目の前で森井御大が小柳日向嬢の白磁のごとき四肢を食いちぎったとしても鯨はきっと御大を止めはしなかっただろう。だから鯨は小柳日向嬢に「美少女」という実像を与えていただけであり、彼女を人間とはとらえきれていなかったのだ。それと蛇足だが、他の出展者にいろいろ訊いてみたところ小柳日向嬢と人気を二分したのが一般に参加されていた露草色の服に白いフリルのついた毛のものを羽織っていたボブカットの女性である。東京開催の文学フリマでさえ横綱級の美少女を見ることはほとんどないのに、地方開催の小規模な福岡ポエイチでは東西両横綱が対峙したのである。福岡は札幌と並ぶ美女の産地と言っても過言ではないだろう。
 そして『何故? 別冊ー九州創作集ー』第一回福岡ポエイチ記念号の小柳日向著「足元の音」を読んだ。意外と思われたかもしれないが、男性一人称小説である。意識の流れはいつか止む。何かを期待し、何かのイメージを押しつけ、何かに勝手に絶望し、何かを求めようとする。すれちがう感情と失われたぬくもりを愛おしみながら、もうギターは弾けない。最後の台詞をいつまでも噛み締める。寄せては戻す波のように。
by suikageiju | 2012-06-12 22:33 | 感想
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