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サークル閉鎖。
by 鯨
後輩書記とセンパイ会計、普通の体位に挑む
 開枷中学一年、生徒会所属、有能なる書記のふみちゃんは、時代が違えば、遊郭吉原の遊女ながら六代目高尾太夫のように大名家に身請けされ、性技を尽くして奉仕していたかもしれない。ふみちゃんは小学校時代、同じクラスの男子十五人と四十代後半の先生をみんな一分以内で射精させてしまった上級者だったらしい。もちろん口とか手だけではなく、江戸四十八手と女の子なところを駆使して致したという。そんなふみちゃんが仰向けに寝ている上でなんとか余ったところをふみちゃんの足りないところに挿し入れようと努力している一年先輩の生徒会所属、平凡なる会計の僕は、およそ吊り合わないほどの童貞で、数学が得意な理屈屋で、女の子とは小学校の修学旅行でマイムマイムを踊りながら手を繋いだ思い出しかない。
 十一月二十七日、ふみちゃんの生理が終わった日である。思えば二日前、なんとなくそんな雰囲気になった僕とふみちゃん。やっぱり男らしく自分から行こうと生徒会室から離れた渡り廊下にさしかかったところでふみ
ちゃんを誘った僕だったけれど、ふみちゃんは「数井センパイ、ごめんなさい」ときっぱり断ってくる。えええ、鼻毛とか出てた?

「そうじゃないんですけど、ちょっとわたし、女の子の日なんです」
「それって、どうとでもなるもんじゃないの?」
 そんなことをなんかのエロ本で読んだような気がする。
「数井センパイ、違います。生理中の女性は穢れと呼ばれて鳥居をくぐることもできないんですよ。だからダメです。」
 ピシャリと言い渡されてしまった。鳥居と言えば、ふみちゃんは家が神社だった。でも今どき穢れって、どうなのだろう。でも嫌がる女の子を無理矢理押し倒したら、きっと生徒会にはいられないと思う。それに自分の欲望に負けてそんなことをしたら二度とふみちゃんの顔を見られないだろう。そんなのは嫌だ。

 そして立ったりしゃがんだり座ったり起きたり寝たり立ったり座ったりした二日間、やっとやってきた放課後。待ちに待ったふみちゃんとの体育館用具倉庫である。バレーボール部の練習が終わって誰もいない隙を見て倉庫に入り込んだ僕は着ていた服を脱ぐとふみちゃんのスカートも脱がせて小さな体を体操マットの上にゆっくり横たえさせた。マットの上に、いつもの白いリボンでくくられた、つやつやな髪の束が広がる。鼻腔にふみちゃんの髪のいい匂いが漂ってくる。その匂いに意識が飛びそうになった僕は焦ってふみちゃんのシャツを上におしあげた。水色のブラジャーに飾られた小ぶりな乳房の形が露わになる。
「かわいいね」
 と僕が言うと、ふみちゃんの仔猫のように小さい顔がぱあっと赤くなった。僕の男の子なところは我慢できなくなって幾度となく腹鼓を打っている。
「じゃあ、いくよ」
 そう言ってふみちゃんのパンツを脱がせた。でも全部脱がせられなくて片方の足首にかけたままになってしまう。もうしかたがない。心臓が口から飛び出そうで、ふみちゃんの女の子なところはとても見ていられなかった。もう頭がぼわっと沸騰して、気ばかり焦り、そのまま腰を沈ませようとした僕、でも
「センパイ、待って下さい」
 と止めるふみちゃん。
「どうしたの」
 と訊く。まだ濡れていないとか、そういうこと?動きを止めた僕。僕の動きを止めたふみちゃんは、おおいかぶさる僕ではなく僕の肩越しに何か別のものを見ている。
「数井センパイ、センパイの背中に乗っている子は気にしないで下さいね」
「え、背中って」
「センパイ、重くないんですか」
 特に背中には何も感じない。でもふみちゃんはやっぱり僕の肩越しに何かを見ている。
「背中に誰かいるの」
「はい」
 そこから噴き出す状況説明は雑だった。おじいちゃんみたいな顔をした子供が藁で編まれたレインコートを着て僕の背中につかまっているらしい。困った。これはやばい。楽しみにしていたふみちゃんとのアレコレはまだ始まってもいない。それなのにふみちゃんは普通から逸脱しかけている。そんなことを思っていると上背を支える僕の両腕がだるくなってきた。
「あ、重い」
 そして急に背中が重くなる。何だろう、背中に漬け物石を置かれたように重いんだけれど。正体不明の重さに押されるように自然と腰が沈む。
「あっ」
「あっ」
 うるんだふみちゃんのつぶらな瞳と目があった。僕の余ったところがふみちゃんのよく濡れた足りないところにスッとうまい具合に入った。ふみちゃんが細い両腕を、誰かがつかまっているという僕の背中に回してくる。二人のお腹がぴったりとくっついて気持ちいい。ふみちゃんの肌はつるつるしていて綺麗だ。目の前の景色が反転しそう。でもついさっきまで童貞だった僕はこれからどうしたらいいのか分からない。だから、あとはふみちゃんの腰の動きに身を委ねるだけだ。



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この感想は「頑張って育てているキャラクターを下劣にねじ曲げられる作者の痛み」で書かれているように青砥十さんより削除依頼があって一旦非公開としていた記事です。
一、青砥十氏が「今後二度と関わることはないと思います。」と牟礼鯨との断交を宣言されているので削除依頼に遵う必要がない。
二、この感想記事を非公開にし続けることは青砥十氏の文学性に対する侮辱にあたる。

といった理由から固有名詞を伏せ字、画像にモザイクをかけた状態で再公開しました。伏せ字、モザイクも青砥氏の文学性に対する侮辱にあたることから躊躇しましたけれど、忌川タツヤ氏の事例に倣い青砥氏が懸念されている「頑張って育てているキャラクター」の問題を切り離すことを優先しました。


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著作権法とガイドラインに則り、伏せ字を元に戻しました。また、「公式作品のような誤解を招く利用」を疑われかねないので表紙のモザイク画像は削除しました。(2013.11.16)
by suikageiju | 2012-11-27 21:10 | 感想
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