全然話題にならないAmazon Kindleだけれど、TwitterのTLに「自分で一万冊買えばKindleランキング上位になれるんじゃない?」みたいな文言が流れてきたので、世間じゃほとんど注目されていないKindleなのにそんなに張り切ってどうするんだい? と思いつつGoogle検索していたら
Kindleストアのランキング操作は可能か? | fladdictという記事を見つけた。でも実証記事ではなく、憶測記事である。なら鯨が試してみようと考えた。検証するのは以下の2点である。
・単アカウントで同じ本を複数冊購入できるのか?
・単アカウントで同じ本を複数冊購入できたとして、その結果がランキングに反映されるのか?
何を隠そう鯨はKindleを所持していない。なのでAndroid携帯端末にkindleアプリを無料ダウンロードして、ランキング操作のための準備を整えた。ちなみに今までどうやってKindleストアから電子書籍を買えばいいのか分からなかったんだけれど、試してみたらクレジットカードの番号をAmazonに登録していたので「1-click®で今すぐ購入」ボタンですぐに買えた。ちなみに実験対象は、なんでパブリッシュしたのか自分でもわからない『
偽バスタールの教団史』である。ちなみに12月9日販売開始で今までに1冊しか売れていない。たぶんこれからも売れることはないだろう。
■12:59時点の『偽バスタールの教団史』の順位、「評論・文学研究」で53位
実験開始、13:00にまず『偽バスタールの教団史』を1冊購入してみる。Kindleストアからの初購入が自分の本とは。クラウドから端末に配信して無事購読できた。さて、順位や販売数の動向を見てみよう。
■14:07時点で56位と順位が下がっている。なぜ?
14:30過ぎにAmazon KDPレポートの販売数に13時に購入した本が反映され、販売数が2冊になった。それを確認してから
My kindleでこの本のデータを削除して再注文するなどを繰り返してカチャカチャしていたらいつの間にか注文履歴の画面上ではこの本を12月14日に3冊購入していたことになっていた。どうやら
単アカウントで同じ本を複数冊購入できるらしい。15:25の時点でAmazon KDPレポート販売数も4冊になっていた。(他の人が買っていないという前提)
■15:26時点で順位は58位と下がっている。他の本が売れている?
■16:03時点で順位は11位に上昇。

Amazon KDPレポート販売数も4冊のままで、鯨の他に購入者はいないようだ。つまり鯨が自分で購入した3冊がランキングに作用していることになる。
【結論】
・単アカウントで同じ本を複数冊購入できる。
・単アカウントで同じ本を複数冊購入できたとして、その結果がランキングに反映される。
つまり、
Kindleストアでランキング操作は可能ということだ。Amazonは早急にこのようなランキング操作について対策を図るべきだ。
上の記事を書いたところ、Twitterで犬吠埼一介氏から反応があった。なんでも氏の著作である『
そのたま!その銃弾が、確かにセカイを変えたのだ』を氏自ら買い支えて、ランキング操作をしていたというのだ。

確かに今でもその著作は上位にあり、後で調べたところによるとかつては日本文学で1位、かの『
Gene Mapper』を一時的であっても順位で超えていたこともあったという。正直言って上の記事は特にどの電子書籍について、ということではなく件のTweetと
Kindleストアのランキング操作は可能か? | fladdictの記事を読んで実際にランキング操作を検証し、問題的を指摘、ランキングによってなるべくありのままの消費動向が分かるようなシステムの改善をアマゾンに要求する記事であった。しかし実際にランキング操作をして自著に注目が集まるような活動をされていた方がいたという。氏の発言に信憑性があるのか、本当にランキング操作を行っていたのかは鯨には分からない。ただ、そういった申告があったということは事実だ。
犬吠埼氏の活動には問題がないと思う。問題があるとすればアマゾンのシステムだろう。KindleストアにおけるAmazon KDPからの自己出版がインフラとして発展していくには購入者・消費者になるべく正確な情報を届けていく必要がある。その情報が正確であるからこそ、購入者・消費者はKindleストアを信頼して、たとえ自己出版の本であっても購買を続けていってくれるのだ。Amazon KDPの仕組みは隠されていた羊肉に羊頭を掲げて売るために存在する。羊頭狗肉では誰も寄りつかなくなる。だからこそもう一度、Amazonは早急にこのようなランキング操作について対策を図るべきだ。