下北沢の本屋B&Bで昨日19時半より開催された「
このダイレクト出版がすごい!2013」に参加してきた。牟礼鯨は『
コルキータ』を
キンドる速報で2回くらい取り上げられただけだけど、別の創作スタイルを週1回くらいはとりあげてもらっているので行くほかなかったのだ。仕事をひけるのが少し早く、18時55分に下北沢駅南口歩いてすぐのお店に着いてしまったらスタッフさんに入場は19時からとしめだされる。フライングしてゲットしたものは特になく、店の前にある雑誌棚でAKB48関連の記事を読んで19時に入店した。
19時35分からイベントがはじまった。まずはスクリーンに向かって一番左に座った佐々木大輔さんが「ブログ=パーソナルパブリッシング、その延長としてのダイレクト出版」として
北陸地区セブン-イレブン開店情報(福井・石川・富山)や
スコアボードが気になるんだ!といったブログを紹介したあと、スクリーンに向かって一番右に座ったzonさんの話がはじまった。
zonさんはイベント開始前から段ボールを被っていたのだけれど、話がはじまると段ボールを脱いで普通のイケメン編集者(やはり編集者さんだった)に戻った。zonさんのサイト
きんどるどうでしょうは1日に2000pvがあり、1日でkindle本を40冊売っているという。今の上がり調子なら2ヶ月でzonさんがそれだけで食えるようになるかもとのこと。それからzonさんがおすすめする10冊の紹介を聴く。蚕糸行政の本とかニコ生主の落とし方とか宇宙エレベーターの本とか、こんなkindle本もあるのかと勉強になった。それから内容紹介文が酷いkindle本も紹介されていて、普段はソフトな印象が強いzonさんだったけれど、実際のところは毒舌家だった。無料キャンペーンを巧く使ってアピールしていこうと思った。
次は右から二番目に座っていたbooklogとpubooの大西さんである。「ダイレクト出版=KDP?」という問題提起から、縦スクロール漫画や更新し続ける本といったネットで読める本ならではの特徴をあげてpubooをプッシュされていた。ちなみにpubooの本の1割は
バーチャルアートらしい。pubooからのゆるやかな撤退戦を続けている鯨は大西さんと目を合せられなかった。「ダイレクト出版は書き手の解放」であると云う。KDPだけがダイレクト出版だけじゃないという視点に立てば、KDPの拡大によってpubooにも可能性は見えてくる。pubooがんばれ。
次は真ん中に座っていたカンザキ女史である。ソフマップは関係ない。女性ならではの目線から
赤木司さんや『
最高のデザート、194最高のレシピ』や『
関東心霊庁除霊局/自走式人形お春改』を紹介されていた。
最後は左から二番目に座っていた
変電社の持田泰さんである。国立国会図書館の
近代デジタルライブラリーや
慶應義塾図書館デジタルギャラリーといった電子古書の紹介のあとで、2012年のベストセラーへ関連電子古書を被せる芸や、アレクサンドル・アレクサンドロヴィチ・ボグダーノフ『赤い星』やアレクセイ・ニコラエヴィッチ・トルストイ『技師ガーリン』といったソ連SFの翻訳電子古書の紹介をしてこれがとにかく会場を沸かせた。ボグダーノフが不老不死の実現のために輸血実験で死んだ逸話とか、映画予告編のような口調で紹介された『技師ガーリン』の粗筋とか相当錬られてこの場に挑んだなという裏舞台が垣間見えそうな発表だった。白眉である。変電社は文学フリマへの進出も考えているとのこと。楽しみだ。
ダイレクト出版だけではなく電子古書にも話は及んだので、さながら
この電子書籍がすごいといった風情であったけれど、もっと今よりも過激にダイレクト出版したくなったイベントだった。でも、このイベントがすごかった、それだけで終わったらそれだけのイベントになってしまう。このイベントから更に「すごい」ダイレクト出版物が出てこそこのイベントの存在意義が輝くのだ。