文学フリマ非公式ガイドブック第三版第二回編集会議
 作品は製本された時点で作者とは無縁なただの商品、徹底的に作者とは関わりのない消費財となる。けれど読み手は作品と作者を繋げたがるし、作者もまた同様にそういう希望を持つ。そんなことをしても作品との縁は戻らず、いつかその努力も徒労に終わるとわかっているのに。
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 東北関東大震災の2013年における応当日、鯨は刑場と貝塚の町、死と再生の輪廻を体現する土地へ電車で赴いた。「bonjour, madmoiselle」大森駅周辺案内図の前で地図を片手に立ち尽くす小柄な少女に声をかけるとなんと少女ではなく真乃晴花さんだった。危険な大田区の夜道で、真乃さんをエスコートしながら煉瓦敷きの商店街を歩き抜けハローワーク太田の陰に隠れたエセナおおたへ赴くと、そこはもう大田区男女平等派の巣窟だった。鯨は生きて出られるのか。二階最奥、第三会議室には既に佐藤さん、屋代秀樹さん、秋山真琴の面々が揃っていた。長机はすでに菱形に並び替えてある。真乃さんの右隣には屋代さんが、その右隣には鯨が、そしてその右隣には秋山真琴が座る。司会は当然佐藤さんである。
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 19時過ぎ、大阪文フリと超文学フリマに向けての文学フリマ非公式ガイドブック第三版第二回編集会議は、まず文学フリマ開始前での掲載情報漏洩防止の徹底を確認することからはじまった。続いて新刊を後回しにし、既刊についての推薦本文・編集者コメント・書影のスキャン・書影掲載許可など、作業進行状況の確認を行う。前回の会議はインフルエンザで欠席していたので鯨は私的発言を繰り返して全体像をつかんでいった。司会の佐藤さんが決まったことをホワイトボードにさらさらとメモしていく。19時28分に山本清風さんが入室して佐藤さんの右に座る。あとは綾瀬眞知佳さん待ちである。その時点で既刊についてあらかたを語り終えて、会議進行は新刊枠をどうするかという話題に移る。どの新刊を載せるかで難航する会議のさなか19時43分に綾瀬眞知佳さんが入室した。綾瀬さんは佐藤さんの左に座る。この瞬間、今回の会議参加者七人が揃った。新刊枠についての話がなんとか片づいたあと、巻頭作から冒頭数ページをどの順に並べるか、主にあがった3作でまず多数決をする。その後、残りの作品について掲載順を決めていった。これについては第一版・第二版からちょっとした違いが生じることになったのでお楽しみに。その変化から編集委員会の意志を読み取ってもらえれば幸いだ。
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 その後、大阪文学フリマで前乗りするか翌日15日に帰るかを話し合って20時45分に解散。有志だけで大森駅前の無鉄砲にて打ち上げをする。第一版から責任編集者として参加している非公式ガイドだが、第四版まで続ける体力が鯨に、そしてそれぞれの編集委員にあるのか不透明なまま、山本清風さんはピースの紫煙を湯気のようにたちのぼらせている。長時間の会議と日々の稽古と活動と、編集委員の顔に浮ぶ疲労の色は濃い。打ち上げの後半は秋山真琴が提案したゲームでおおいに盛り上がり、大森の夜は現世を忘れていくように更けていく。
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by suikageiju | 2013-03-12 02:21 | 文学フリマ | Trackback | Comments(0)
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