第十六回文学フリマin大阪報告
 人が何かや誰かに「気持ち悪さ」を感じるとき、その感情はまだその事象に気づいてもいない段階からそれを知覚しはじめた段階へと一歩前進した、その反動である。やがて気持ち悪さは快感に変わるだろう。第十六回文学フリマin大阪は大盛況のうちに終了し、1600人の来場者を数えたという。数字ではないのならサークルスペースから望むことができた壇上見本誌コーナーの盛況ぶりを描写すればそのことが伝わるのだろうか。「大阪に創作文芸を買う習慣が無い」「大阪の同人誌即売会は午後が伸びない」という迷信は捨て去った方が良いだろう。そして弊社はまた大阪での文学フリマに参加したいと考えている。それがたとえ「西瓜鯨油社」では参加できず例えば「鯨鳥三日」でしか参加できないとしても、夜行バスに乗って牟礼鯨は大阪へ赴き、たくさんの人が抱えてしまった「気持ち悪さ」と出会いたい。
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 前夜は味園ビル2Fのデジタルカフェスクリプトで鯨ナイトを午前1時まで続けていた鯨は5時半に起きて朝風呂に浸り、6時50分から一時間でブログを書き終えてから御堂筋線なんば駅よりなかもず駅に向かった。改札を出て2番出口へ向かうとm2さんが神戸屋のパンを頬張りながら会場に向かうのと出くわす。2人で並んで中百舌鳥の街を歩き、午前9時前に会場につくとちょうど設営がはじまったところで、鯨はm2さんに軍手をもらって設営に参加した。入口側が会場付属の合板材むき出しの汚い机で、奥側が業者搬入のピカピカの机で、もし入口側に座ったサークルが初心者で敷き布を用意していなかったら可哀想だなと思った。また、外周と数列だけ会場付属の固定椅子で、その他はパイプ椅子となっていたのも気になった。まさか机や椅子ごときで「僕のサークルだけ扱いがひどい。これは文フリ当局の陰謀だ」など不満を述べる人はいないだろうし、運営の金銭的な事情もあるのだろうけれど、全体に統一感を求めやすい病質な鯨は唇を噛みしめて耐えている他なかった。
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 設営後、全サークル一番乗りで入場証をカタログに変えた鯨はポプルスさんが手渡ししてくれた段ボールをこじあけて、初めて新刊『オルカ』と対面した。ノンブルがちゃんと打たれていて安心する。設営に追われていると午前11時になり文学フリマ開場となった。一般入場者数が列を為していること、最初の30分でいきなり10冊売れたことに驚く。今回は高村暦との鯨暦譜企画もあり新刊『オルカ』の購入希望者に「実はこの白い本、高村暦という女の子が書いたもので内容は『オルカ』とまったく関わりがないんですけれど、この本も同時に購入されると合わせてナント1000円。それに特典としてその女の子が書いた『****』という話も読めるんですよ」と勧めると9割の方が鯨暦譜っていった。また、午後3時過ぎにも通路に人が流れ見本誌コーナーにも人が残っているくらい、来客がひっきりなしだったので鯨はほとんど出歩けなかったけれど朝戸紺さんや水城麻衣さんや夛田葛さんや井ノ上岬さんや分離派の久保田輝くんなど関西在住の方とも話せたし、篤里ちゃんをはじめ多くの美女が弊社の本を購入していってくれた。第十五回文学フリマで刷った『南武枝線』は完売し、『コルキータ』第四版も手持ち分は2冊になり、鯨は充実した5時間を過ごせた。彼ら彼女らとその他の名も知らぬ彼ら彼女らにも感謝をささげ、そしてこんな素晴らしいイベントを運営してくれたスタッフの方を褒め称えたい。そして望月代表の閉幕のアジテーションに感涙した。
 文フリ後は懇親会を待ってもいられず、屋代秀樹さん、山本清風、栗山真太朗ともう1名、渋澤怜、吉永動機、そして神戸在住の碧眼女子・篤里ちゃんの8人で中百舌鳥のデニーズに入った。歓談ののち、篤里ちゃんは飛び立ち、その代わりにと言っては何だけれど高村暦が鯨暦譜の後始末のために合流し、兎角毒苺團の3人もやってきて中百舌鳥の夜は更けていく。最後に残ったのは兎角毒苺團の3人と鯨だった。
 午後7時過ぎに会計を済ませ、地下鉄を乗り継いで長堀橋駅へ移動。駅近くの大阪南郵便局ゆうゆう窓口で伊織さんと超文学フリマへの搬入物を午後8時過ぎに発送した。それから難波の高島屋8階さんぽで望月兄弟、大阪事務局代表、安倉儀たたたさん、鈴木真吾さん、クロフネ3世とあと1名と合流する。望月さんから「そうさく畑はlegacyなイベント」などの言葉も出て来て、あの生放送への思いも聴けた。そしてイベント運営の裏話も聴けてこの人がいるからこそ文学フリマが続いてこれたんだなと実感できた。それから望月兄のバスの時間まで飲み続ける。午後10時40分ごろに高島屋を出て宿泊地へ向かう人、バスターミナルへ向かう人と別れて味園ビルの夕顔楼へ移動する。そこで安倉儀たたたさんがNETOKARUの記事にこめた思いや文学フリマの各サークルへ向けた熱い思いを聴けた。うん、がんばるよ鯨は。
 そして望月代表が地平線に沈む午前1時、それぞれの思いを抱いて伊織、大阪事務局代表、望月代表、安倉儀たたたさん、そして鯨は難波の街に溶けていった。
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by suikageiju | 2013-04-15 10:13 | 大阪 | Trackback(2) | Comments(0)
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