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サークル閉鎖。
by 鯨
コミティア104報告
 もちろん巷間で流行している言葉は「じぇじぇ」だけれど、電子巷間で流行しているのは忍殺語と聴く。『ニンジャスレイヤー』という書物があり、そこで使われている特徴のある文体が忍殺語とも聴いた。
 5月5日ふらりと立ち寄ったコミティアで、毒々しい色に染められたカーテン生地の洋服をお召しになった伊織さん(兎角毒苺團)が知識雑学研究所のブースに座っていたので、『ブンガクスレイヤー』で読んだだけの半端な知識で忍殺語を試みた。
「アイエエ! イオリ=サン! スゴイデカイチチ!? スゴイデカイチチ、ナンデ!?」
 険のある逆三角の目でギロリと鯨を睨み「すごいむかつく」と伊織さんはつぶやいた。気迫におされ転がるようにコミティア会場の外に出て、初夏の陽をあびながら、抜けるような青空を仰ぐネオ・ウァリウァケ。でも「抜ける」ような青空っていつか語義が変わると思うんだ。

 久しぶりにコミティアへ電車で赴いた。前回の訪問時は原付を使いその楽さに体が慣れてしまったのだけれど、原付を使わずに新宿からりんかい線直通SSラインで行けば『何故?第二章零号-衝動-』を読めることに気付く。大崎を過ぎたあたり、森井御大の掲載作「君はフィクション」を読んで顎が下がったまま戻らなくなった。
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 15時前に会場に到着。ティアマガジンを買ったものの創作文芸島の緯度経度だけを確かめるとそれを閉じて、ひたすら創作文芸島をぶらぶらと彷徨うこととした。あの幸福だった一般参加者時代を思い返しながら黒居四季『在庫少女』や日野裕太郎『いずれ早瀬もじくじくと』、ヒロセアリサ『鉄道少女2』、冷亜暦『-A07』、みすてー『トランスポーターラブレター』、解凍みかん☆『かみまち』などを購入した。また、クロフネ3世のところで生原稿オークションをやっていたので面白い試みだと思い記念に入札する。改めて一般参加してみて、サークル参加のままでは分からなかったことが分かるようになると思っていたけれど、そんなことはなかった。お客様気分のまま、楽しい時間だけを過ごした。

 会終了後、鯨暦譜の打ち上げをした。超文学フリマ後に「鯨鳥三日と冷亜暦で合同打ち上げをすれば一挙両得じゃないか」と提案したけれど両領袖に却下されたためにできなかった鯨暦譜企画の精算をするためだ。文章を書いた以外は鯨の人は何もせずほとんどの作業を暦の人におしつけたため、その作業費及び材料代を鯨が「酒で購う」との取り決めを果たすためでもある。だが神保町のろしあ亭で高村暦さんがウォッカをストレートで呷ってはおかわりを繰り返すので鯨は顔面蒼白になった。おまけに「ちっちゃな水」然としたフラグマンを鯨に勧めてくる。鯨は食道の形を明らかにしながらそれを呷った。
 地理に暗い高村暦さんを千代田線お茶の水駅まで案内した記憶まではある。だが、脈絡も経緯も知らないまま、目覚めると鯨は上野不忍池のベンチに腰かけていた。ポケットにねじ込まれた、買ったばかりのhtcj butterflyのタッチパネルにはヒビが入っている。財布はちゃんと鞄に入っていたので上野浮浪者の礼儀正しさに感動した。
by suikageiju | 2013-05-07 08:26 | COMITIA
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