南武枝線第二版入稿す
 『南武枝線』は第十五回文学フリマとC83で頒布し翌年の第十六回文学フリマin大阪で売り切れた本だ。古書ビビビさんに置いてもらわず、密林社さんのご厄介にもならなかった。このたび訳あって第二版を入稿した。いつか、どこかで、あなたも第二版を手に入れることができるようになるかもしれない。
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 第二版のデータ作成にあたり校閲を依頼した。校閲は夜に寝て昼に起き修正を施していってくれた。その結果、元の文章なんて跡形もなくなって、どちらが著者でどちらが校閲だか分からなくなってしまった。もはや奥付の「著者 牟礼鯨」は権利や名誉を放棄して、責任と罪の在処しか示さない。こうして念願かなって『南武枝線』は鯨の手を放れ、宙に放られて、公共の女となったのだ。
 またkindle向けの電子書籍版も第二版のデータに更新したのでまだ購入していない人はすぐに購入すべきだし、もう購入してしまった人もココのやり方を参考にして「ASIN:B00BISD528」で最新版を手にいれた方が良いだろう。
 下に『南武枝線』初版に手向けられた感想・批評をあげる。これらを書いた彼らは当然のことながら第二版の共同執筆者となった。

第十五回文学フリマでチェックした作品たち~安倉儀たたた~|NETOKARU
読み始めたときには痴漢や駅構内での自殺などマチズム的にも思える男性的な視線の強さにやや苦手意識をもつ人もいるかもしれないが、そのマチズムが崩壊していく過程にこそこの小説の神髄が詰まっている。男性が恋愛の狂気にとりつかれて郵便局から出るシーンにはナポコフの『ロリータ』に匹敵する、男性がみじめな存在になる、あの戦慄を覚えるはずだ(引用)


牟礼鯨『南武枝線』|薄荷塔ニッキ
 私にとって物語に捉まったというのはどういうことかというと、どの単語も世界の真理を含んでいると思い込んでしまうということである。嘘つきの澤田彩香の発した言葉の「嘘つきメモ」が真理なのだという以前に、その直前の「あの息苦しいカフェ」も「一冊の方眼紙ノート」も総て真理だと思い込んでしまうということである。(引用)


西瓜鯨油社 牟礼鯨『南武枝線』|酔いどれラジオの無言癖
 また牟礼鯨ワールドにずぶずぶとのめり込んでしまいました。「痴漢もアリかー?!」という幻想的な読書体験をありがとうございます。(引用)


痴漢と恋愛|CRUNCH MAGAZINE
南武線を中心に繰り広げられる、セックスや痴漢や自殺といった情景は、現実世界にありながら、どこか夢を見ているように幻想的。曖昧な時系列が紡ぐのは、痴漢なのか、それとも恋愛なのか。(引用)

第15回文学フリマで出会った本について語るときに自分の語ること|雲上四季
南国の咽返らんばかりの気怠さと生温かい官能を得手とする、と勝手に思い込んでいた牟礼鯨さんによる痴漢と恋愛を描いた作品。南武線を中心に、見知った地名が頻発し、セフレとセックスしたり、痴漢したり、飛び込み自殺を見たりして、最後は、ちょっと幻想的な感じでした。ちょっと時系列が分かりにくく、章と章のぶつ切り感が強かったかな。(引用)

牟礼鯨/南武枝線|山本清風のリハビログ
また文章量が増えたと云っても同じテーマを同規模展開するためには、時間軸のシャッフルや著者の文体に備わっているそぎ落とした描写、ときに熱を帯びてありありと読者の鼻先に匂う部分なくしてとてもあのページ数では描き切れないのだから、これはやはり警句なのだと私は思う。ちなみに鼻先に匂うと私が書いたのは主人公が幾度か熱心に動き廻る場面や、ラスト付近に南武支線と対峙する叙情。ひとつの物語のなかで温度変化があるのは当然かも知れないが、ひとつ著者の特長に一定温度を保つというのがあった。だが物語を終わらせぬためには、その温度変化は今回必要なものだった。(引用)

第十五回文学フリマ感想:南部枝線|零零壱参
牟礼鯨作品は見習う点が多々ある。
彼は決して自己陶酔で文学をやっているわけではないんだろうと読みながら思う。
彼の作品に出てくる女性はすぐヤらせてくれる人が多いが、
それが別に作者がそう望んでいるからだ!という乱暴な主張はしない。
作者と作品の中に隔たりがあり、
作品世界を作者がわらっているように感じるところがある。
多大な表現力と知識を持ち得ながら
それを衒学的につらつら書き連ねるのではなく、
必要な部分にバシッと入ってくる。
ほんとうのほんとうにうまいなぁ、と思った。
これからどういう作品を書いていくのか楽しみだ。(引用)









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by suikageiju | 2013-11-24 14:19 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
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