アントニの断片
 やっと昨夜、休めた。今夜は「シネマテーク・フランセーズ」から。2014年は1914年からちょうど100年ということで、大阪の書店で大坂の陣特集が組まれるように、欧州の書店では第一次世界大戦特集が組まれている。では鯨は、おまえは(指を差さないで!)レトロニムを排して「世界大戦」と呼ぶその戦いに思いを馳せて何をしているのか?というとセリーヌの『夜の果てへの旅』をちびちび読んでいる。作家がle bout de la nuitを知っているかどうかって大事だ。le bout de~のあとが何だかは構わないけれど、いくらプロットに巧みで言葉の配置がうまくても、le boutを知らないと文章が薄くて透けてしまう。深みがないっていうのもそうだけれど、偽物になってしまう。偽物が十数人集まって本を作っても本物にはならない。でも本物が一人混ざっていれば本物になる。
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1919年、アントニは目立った外傷なく戦争から帰ってきた、しかし彼が体験した恐怖により心理的外傷を負う。彼のケースはラブルース教授、心理的外傷をともなう衝撃の治療に於ける先駆者に非常に興味を持たせた。教授は彼に戦争体験のうちでもっとも激しい瞬間を再現させることを試みる、そこから解放するために。

 つまらなそうな感じが文面から沸き立つ。文章がやや複雑だからだ。もっと単純に説明できたと思う。きっとアントニがどんな戦争体験をしたのか、その核心となる部分がずっと伏せられていて、段々と傍情報から真実が明るみになっていくというミステリー仕立てなのだろう。そう考えると面白そうな気がする。でもこういう謎解きパターンってその謎解きがメインになっていて真実を知ってしまうとたいてい「え、そんなこと」と呆気にとられるケースも多い。これはどちらか。
 それにしても「アントニの断片」、どんな映画なのだろう。
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by suikageiju | 2014-04-12 23:37 | 翻訳 | Trackback | Comments(0)
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