サークル閉鎖。
by 鯨
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カテゴリ:大阪( 35 )
第二回文学フリマ大阪報告
自菟餓野、有聞鹿鳴(『日本書紀』仁徳天皇卅八年)

12日(金)
 金曜日、代々木のカフェ・ロリータで「夜の暦」を終えた。人形写真と膝裏写真の共通項を抱えながら、夜行バスで大阪へ向かった。車内はひどく人の臭いがした。

13日(土)
 翌朝、天王寺動物公園前に降り立った鯨は天王寺駅のツリーカフェで朝食をとった。それから兎我野町にあるホテルに荷物を預けた。そこは犬尾春陽さんに勧められた宿泊地である。仁徳天皇の難波高津宮は今の大阪城のあたり、和泉国から「河内海」へ北に突き出るように伸びた細長い半島の中核「上町台地」の北端にあったとされる。兎我野は難波高津宮の北、崖を下りたところに広がる狩猟のための原野であったのだろう。かつては日本書紀に書かれたように鹿がいたのか。そんな古代の難波へ思いを馳せながら今宮へ向かい午前十時のスパワールドで汗を流した。

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 自由軒で名物カレーを食べた後、昭和町の金魚カフェにて金魚鉢でメロンソーダを啜って情報収集をしていると千日前の丸福珈琲店で「宵の暦」が立つことを思い出した。鯨は御堂筋線でなんば駅へ向かい、歩いて丸福にたどり着いた。店内には誰もいなかったので外で待っていると高村暦女史がやってきた。女史も今朝大阪に着いて昼から青波零也女史と水族館へ行ってきたらしい。店内の突き当りを右に折れた奥、マフィア映画で殺される奴が座っているような席に座り、遅れてきた詩架の容女史と「宵の暦」をした。容女史の発する「知的な大阪弁」に聞き惚れた。
 その後、ホテルにチェックインをし、午後八時過ぎに日本橋の味園ビルにあるデジタルカフェスクリプトにログインした。鯨がその日最初の客だった。そこで第二回文学フリマ大阪前夜祭が開催される。前日に大阪入りした日本人のための集会である。鯨のログイン後すぐ入った真乃晴花さんとそのBL師匠の3人で前夜祭をはじめる。数分して、じゅりいさん、北西彩さんと伊織さんがログイン。20分後に高村暦女史がログイン。21時、同じ建物の赤狼にいた東京の文学フリマ事務局の望月代表を呼びにいった。腸詰を賞味されていた。しばらくして全日本わかば愛好会の森井聖大さんとJ島さんがログイン、そこへ望月代表がログインした。これで10人となった。じゅりいさんと真乃さんがタロット占いをはじめ、望月代表と森井御大が文学フリマのありかたと広告のありかたについて議論をはじめた。森井御大の理想は愛すべきものだけど、実践者望月代表の前では形無しだった。その後、永遠の底五<泉由良>が11人目としてログインした。上住初采配の設営に不安を持っていた鯨は、翌朝のため午後11時に前夜祭を解散した。

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14日(日)
 午前9時からはじまった設営は無事に済みそうだった。搬入された段ボールを仕分けているとき、カタログの入った段ボールを受付に運んだ。「これが文学フリマ大阪のカタログか、どんな表紙だろう」と思いながら運んだ。ブースナンバーを貼り、アンケートを配り終えて受付に戻ったとき、数人の大人たちがカタログを見ていた。戯画化された太陽の塔が笑っていた。ひどい落丁があった。最初の数ページが空白となっていたのだ。西瓜鯨油社のサークル紹介文も載っていなかった。書籍工暦の高村女史が設営に参加していたことを思い出した。鯨は独自の判断で設営の指揮を執る女史の近くに寄った。
「今、カタログのデータを持っていますか」
「なぜですか」
 高村女史は首を傾げた。
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 傀儡舞で始まった第二回文学フリマ大阪が終わった。ひどく疲れたので中百舌鳥を離れ、ホテルに戦利品を預けた。ホテルから歩いて行ける中崎町の珈琲舎・書肆アラビクでその日購入した俳句の本を読む。文学フリマが終わったら落ち着ける場所で、その日購った本を静かに読むことをお勧めする。それは真剣に本を書いている作家たちへ示す敬意のひとつだ。
 電話が架かってきた。飲み会への誘いである。一度は断ったが、断りきれなかった。急いでケーキを頬張り、珈琲を流し込んだ。本を閉じた。
 指定されたHUBなんばダ・オーレ店へ行くと誰もいなかった。ひどいことをされたのだと思った。アスポールドラフトサフォークサイダーの瓶を買い、一人でテーブルに座って飲んだ。コップに入れた分を飲み干してもまだ誰も来ない。瓶を傾けてまたコップを飲み干しても来なかった。あきらめて帰ろうとしたとき、やって来た。ヤツらが!
 鯨が座っていたテーブルに呑気な3人組、秋山真琴<泉由良>高村暦が腰かけた。鯨鳥三日の2Pキャラを思い浮かべれば妥当だ。しばらく飲んでいると上住断靭、猿川西瓜、尾崎、そしてもう一人が来店した。円卓で犯人が数回踊ったら、別の店へ移動した。ここら辺からあまり記憶がない。佐藤現象といえる。どうやら薄荷塔ニッキによればそのよくわからない店で連歌をしていたらしい。
秋の水鎖骨にたまる泉由良(発句)
赤蜻蛉時速五キロの逃避行(<まだ見ぬ友の背を負いて見る>からの)
実らずの栗の花咲く岸辺にて(<童貞野郎の熱き思いを>からの)

 などが鯨の担当だったと記憶している。
 気づいたらなんばの町を歩いていたので御堂筋線で兎我野町へ帰った。胸ポケットにはいつ買ったのか黄色いアメスピとくまもんのライターが入っていた。14日の締めくくりとして、キタでそのアメスピを一本喫んだ。

15日(月)
 兎我野町から中崎町へ行くと喫茶Yは定休日だった。幼い4人姉妹が父親に取り残された喫茶店で朝食を済ませた。天神橋筋六丁目駅から阪急線に乗り終点の京都・河原町近くの築地で一服した。
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 夕方、京都駅から新幹線ひかりの3号車で帰った。もしかしたら同じ新幹線の2号車には犬尾春陽さんが乗っていたかもしれない、と思った。
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by suikageiju | 2014-09-17 21:13 | 大阪 | Trackback(1) | Comments(0)
第二回文学フリマ大阪
 9月14日(日)大阪府堺市北区の堺市産業振興センター(中百舌鳥)で開催される第二回文学フリマ大阪に西瓜鯨油社は参加する。
 文学フリマは文学作品の展示即売会である。販売される文学作品の多くは同人誌であるが、コミケやコミティアなどのいわゆる「同人誌即売会」や大東亜戦争後に発達した同人誌文化とは違う文法で運営されている。文学フリマの基底としてあるのは「ホトトギス」など明治期から日本にあった同人誌文化と文学の土壌である。
 文学と訊くと「純文学」を連想して「とっつきやすいのかな」「読みやすいのかな」などと思うかもしれない。その通りである。ゴテゴテして難解なSFや、ボテボテして複雑なファンタジー小説、ジュルジュルする奇怪なライトノベル、ポエムで晦渋な詩や短歌などとは違う、文章そのもの、言葉そのものの喜びが純文学や俳句といった文学作品には残されている。第二回文学フリマ大阪ではそんな文学作品と出会える。

【配置場所】
 A-15 (壁の中央)

【頒布物】
新刊日曜日の娘たちは星々をシャワーヘッドの穴だと信じている』(100頁500円)
 母親に棄てられた娘とその娘を引き取った父親の話。世間と上手く折りあうことと自由に生きること、逃げ出したい全ての父に捧げる一冊。
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・『逃避癖のための句誌</haiku id="01">』(44頁200円)
 「普段散文を書いている首都圏の作家」による俳句71句と掌篇9篇、それと墓碑銘を収録。
-牟礼鯨による「余白を読む」
-反響と古書ビビビ納品記事
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・『南武枝線』 (82頁300円)、牟礼鯨
 痴漢で出会った嘘つきとサイコパス。嘘つきの始めた「新日程」が南武支線を怪異させる。記憶を喪う鉄道幻想譚。その第二版
-痴漢という言葉からは恋の芽生えしか想像できない。小説『南武枝線』牟礼鯨(著)
-ガジェット通信-Amazonが『南武枝線』を販売停止にした件(西瓜鯨油社)
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※ 『受取拒絶』や『譫妄とガラナ』、『コルキータ』など手持ち分は完売していますが、リンクの貼っているものはアマゾンで購入できます。

※ 文学フリマwebカタログで気になるサークルさんの「気になる」ボタンをクリックすることで「気になる」登録できます。

※ ひそかに前夜祭

【備考】
・「西瓜鯨油社」は「すいかげいゆしゃ」、「牟礼鯨」は「むれ くじら」と読みます。
・とりあえず「西瓜鯨油社宣言」をお読み下さい。
・事前に質問などがございましたら「murekujira◎gmail.com」(◎→@)やコメントまで。
・小便もしくは尿意に対する強迫観念があるのでよくトイレに行きます。鯨不在の場合は売り子の高村暦女史が対応します。

【地図】

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by suikageiju | 2014-09-06 10:22 | 大阪 | Trackback | Comments(0)
第二回文学フリマ大阪の俳句
 2014年9月14日(日)に堺市北区中百舌鳥の産業振興センターで第二回文学フリマ大阪が開催される。関西で2回目となる文学フリマで俳句を扱ったサークルはあるのかそれともないのかと思い文学フリマwebカタログで検索したところ紹介文に俳句について言及したサークルは3件あった。3サークルとも「気になる」をクリックした。君はどうする?

雲庵 E-15
 福岡ポエイチにも参加している錆助さんによる自由律俳句のサークル。幻の新刊『蘭鋳』があるかも。

大阪大学短歌会 E-28
 無料冊子『阪大俳句』があるとのこと。

盲目羊とサクラジマ E-38
 短歌・小説本『甘受の才能』に俳句もあるかも。

夜更社 B-32
 『プレオープン短歌俳句解凍文集BL篇』で俳句のBL幻視があるかも。

西瓜鯨油社 A-15
 首都圏の散文作家7人、そのいたたまれなさを俳句71句と掌篇9篇として収録した『逃避癖のための句誌』があるという。

 もしかしたら紹介文に書いていないだけで俳句の本を販売するサークルはまだまだあるかもしれない。9月14日は中百舌鳥へ行くしかない。
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by suikageiju | 2014-08-11 06:34 | 大阪 | Trackback | Comments(0)
第二回文学フリマ大阪前夜祭
 前回の第十六回文学フリマ同様、第二回文学フリマ大阪でも西瓜鯨油社は文学フリマ前日に入阪する。
 なので前夜は20時くらいから味園ビル2Fのデジタルカフェにいると思う。
 人が集まれば前夜祭になるだろう。「鯨ナイト」として人口に膾炙していたあのことだ。数人くらいの集まりならば文学を祭る。織田作之助を祭る。

行き暮れてここが思案の善哉かな 作之助

 祭であって会ではない。みんな子供じゃないし大人なので人数の集計もしない。自主的にただ来て、飲んで、話して、飲み代を払って帰るだけだ。それだけでいい。それ以上は不要だろう。何をやっても自由だ。突然句会がはじまるかもしれない。いきなりボードゲームかもしれない。疲れたら眠れ。小うるさい人が集まれば唐突に文芸批評会かもしれないが我慢しろ。参加者次第。

9月13日(土)20時
味園ビル2F デジタルカフェスクリプトにて


 その翌日14日(日)は第二回文学フリマ大阪

前回の様子
大阪文学フリマ前夜祭報告
第十六回文学フリマin大阪を過ぎても [上] [中][下]
大阪文学フリマ外伝ー鯨ナイト前編ー
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by suikageiju | 2014-07-22 23:34 | 大阪 | Trackback | Comments(0)
第十六回文学フリマin大阪報告
 人が何かや誰かに「気持ち悪さ」を感じるとき、その感情はまだその事象に気づいてもいない段階からそれを知覚しはじめた段階へと一歩前進した、その反動である。やがて気持ち悪さは快感に変わるだろう。第十六回文学フリマin大阪は大盛況のうちに終了し、1600人の来場者を数えたという。数字ではないのならサークルスペースから望むことができた壇上見本誌コーナーの盛況ぶりを描写すればそのことが伝わるのだろうか。「大阪に創作文芸を買う習慣が無い」「大阪の同人誌即売会は午後が伸びない」という迷信は捨て去った方が良いだろう。そして弊社はまた大阪での文学フリマに参加したいと考えている。それがたとえ「西瓜鯨油社」では参加できず例えば「鯨鳥三日」でしか参加できないとしても、夜行バスに乗って牟礼鯨は大阪へ赴き、たくさんの人が抱えてしまった「気持ち悪さ」と出会いたい。
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 前夜は味園ビル2Fのデジタルカフェスクリプトで鯨ナイトを午前1時まで続けていた鯨は5時半に起きて朝風呂に浸り、6時50分から一時間でブログを書き終えてから御堂筋線なんば駅よりなかもず駅に向かった。改札を出て2番出口へ向かうとm2さんが神戸屋のパンを頬張りながら会場に向かうのと出くわす。2人で並んで中百舌鳥の街を歩き、午前9時前に会場につくとちょうど設営がはじまったところで、鯨はm2さんに軍手をもらって設営に参加した。入口側が会場付属の合板材むき出しの汚い机で、奥側が業者搬入のピカピカの机で、もし入口側に座ったサークルが初心者で敷き布を用意していなかったら可哀想だなと思った。また、外周と数列だけ会場付属の固定椅子で、その他はパイプ椅子となっていたのも気になった。まさか机や椅子ごときで「僕のサークルだけ扱いがひどい。これは文フリ当局の陰謀だ」など不満を述べる人はいないだろうし、運営の金銭的な事情もあるのだろうけれど、全体に統一感を求めやすい病質な鯨は唇を噛みしめて耐えている他なかった。
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 設営後、全サークル一番乗りで入場証をカタログに変えた鯨はポプルスさんが手渡ししてくれた段ボールをこじあけて、初めて新刊『オルカ』と対面した。ノンブルがちゃんと打たれていて安心する。設営に追われていると午前11時になり文学フリマ開場となった。一般入場者数が列を為していること、最初の30分でいきなり10冊売れたことに驚く。今回は高村暦との鯨暦譜企画もあり新刊『オルカ』の購入希望者に「実はこの白い本、高村暦という女の子が書いたもので内容は『オルカ』とまったく関わりがないんですけれど、この本も同時に購入されると合わせてナント1000円。それに特典としてその女の子が書いた『****』という話も読めるんですよ」と勧めると9割の方が鯨暦譜っていった。また、午後3時過ぎにも通路に人が流れ見本誌コーナーにも人が残っているくらい、来客がひっきりなしだったので鯨はほとんど出歩けなかったけれど朝戸紺さんや水城麻衣さんや夛田葛さんや井ノ上岬さんや分離派の久保田輝くんなど関西在住の方とも話せたし、篤里ちゃんをはじめ多くの美女が弊社の本を購入していってくれた。第十五回文学フリマで刷った『南武枝線』は完売し、『コルキータ』第四版も手持ち分は2冊になり、鯨は充実した5時間を過ごせた。彼ら彼女らとその他の名も知らぬ彼ら彼女らにも感謝をささげ、そしてこんな素晴らしいイベントを運営してくれたスタッフの方を褒め称えたい。そして望月代表の閉幕のアジテーションに感涙した。
 文フリ後は懇親会を待ってもいられず、屋代秀樹さん、山本清風、栗山真太朗ともう1名、渋澤怜、吉永動機、そして神戸在住の碧眼女子・篤里ちゃんの8人で中百舌鳥のデニーズに入った。歓談ののち、篤里ちゃんは飛び立ち、その代わりにと言っては何だけれど高村暦が鯨暦譜の後始末のために合流し、兎角毒苺團の3人もやってきて中百舌鳥の夜は更けていく。最後に残ったのは兎角毒苺團の3人と鯨だった。
 午後7時過ぎに会計を済ませ、地下鉄を乗り継いで長堀橋駅へ移動。駅近くの大阪南郵便局ゆうゆう窓口で伊織さんと超文学フリマへの搬入物を午後8時過ぎに発送した。それから難波の高島屋8階さんぽで望月兄弟、大阪事務局代表、安倉儀たたたさん、鈴木真吾さん、クロフネ3世とあと1名と合流する。望月さんから「そうさく畑はlegacyなイベント」などの言葉も出て来て、あの生放送への思いも聴けた。そしてイベント運営の裏話も聴けてこの人がいるからこそ文学フリマが続いてこれたんだなと実感できた。それから望月兄のバスの時間まで飲み続ける。午後10時40分ごろに高島屋を出て宿泊地へ向かう人、バスターミナルへ向かう人と別れて味園ビルの夕顔楼へ移動する。そこで安倉儀たたたさんがNETOKARUの記事にこめた思いや文学フリマの各サークルへ向けた熱い思いを聴けた。うん、がんばるよ鯨は。
 そして望月代表が地平線に沈む午前1時、それぞれの思いを抱いて伊織、大阪事務局代表、望月代表、安倉儀たたたさん、そして鯨は難波の街に溶けていった。
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by suikageiju | 2013-04-15 10:13 | 大阪 | Trackback(2) | Comments(0)
大阪文学フリマ前夜祭報告
 4月13日(土)20時前、大阪ぼてぢゅう本店で腹ごしらえをした佐藤山本清風渋澤怜、牟礼鯨の4人は徒歩で味園ビル2Fにあるデジタルカフェスクリプトに向かった。味園ビル侵入後、2Fの深夜営業飲食店群を廻ったあとデジタルカフェ店内に入ると雪ヲさん以外の姿はなく、4人は靴を脱いで方形の卓を囲んで飲み始めた。ぽつりと佐藤さんが「このまま寛いで終わればいいなあ」とおっしゃるくらい4人は都市間移動に疲れていて、そしてデジタルカフェは寛げて、居心地がよかった。なにしろ第十六回文学フリマこと大阪文学フリマの前夜である。明日まで体力を温存しておきたい、そんな目論見があったことは否定できない。そして鯨は夜行バスで移動したため2時間も寝ていない。眠い。
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 その後、才能が服を着て歩いているので文芸結社猫の表紙を多数手がける西本愛さんが加わり、鯨に黒い手紙を渡しに来た高村暦はすぐに帰ったけれど、漸次鈴木真吾さん、クロフネ3世さんが参加して7人というマジカルナンバー7±2ギリギリの人数になった。その後、数分だけ顔を見せられた望月文学フリマ事務局代表が残していったのは上住断靭文学フリマ大阪事務局代表、東京の文学フリマスタッフの方2名と寄政さんであった。このときの参加者は11名に達し、マジカルナンバーをはるかに超えてしまったため、数えるのをやめた。
 最早お互いが誰が誰だか分からないので自己紹介をしたあとに良くも悪くも頃合いよく入場したのは西成警察署の前に出張所を構えた森井御大率いる何故?の方2名であった。総勢14名であり、鯨がどうにかできる人数を超えていたので、そのうち考えるのをやめた。ただ大分県から来訪した森井御大は鯨が考えるのをやめさせてくれるはずもなく、さっそく小柳日向問題に触れて鯨は彼女に対してやりすぎてしまったことを反省する次第となる。福岡ポエイチでは彼女に謝罪しなければならぬだろう。
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 その後、分離派文芸組合さんが赤福を片手に来訪され、読んでいないのに付箋だらけの『南武枝線』と西瓜鯨油社宣言について滔々と語ったあと鯨、清風、鈴木の3名を千坂恭二氏が参加している同じ味園ビル2Fの「政治と芸術」のトークイベントに引き込んだ。このタイミングで佐藤、渋澤、西本は味園ビルを後にする。一方トークイベントに加わる破目になった3人はコーヒーを片手に大阪と他の都市との地理的・社会的な構造の違いと芸術についてトークした。清風さんが飛田新地の話題を出すとワッと盛り上がる、着地点の見えないトークイベントだった。絶滅危惧種の極左活動家は人間国宝になるのかもしれない。
 デジタルカフェに戻ってから森井御大は非公式ガイドブックなど昨今の創作文芸事情に触れ「最近の鯨はぶれすぎ、ゆらぎすぎ。創作文芸を率いることができるのは牟礼鯨しかいない。だから、牟礼鯨を名乗った以上もう後戻りはできない」ということをおっしゃられていて、鯨は正座して聞く他なかった。話題が可能性の文学についてへ移行していくなか、東京・姫路を経由して入阪した伊織さんが日付が変わったか変わらないか定かではない時刻に卒塔婆を片手にログイン。清風さんがその巨乳に見入っているのを鯨は見逃さなかった。
 震度6弱の地震が起こった4月13日が終わり、いつの間にか清風と森井御大とJASONさんと伊織さんとラガーマンさんだけとなったデジタルカフェ、鯨はふらりと立ち上がり雪ヲさんに自分の飲み代2100円を支払い、その場を立ち去った。確かにその瞬間4月14日午後1時5分に“鯨ナイト”は終わったのかもしれない。でも大阪文学フリマ前夜祭はまだまだ続いていたと聴く。無論、最初からそれは“鯨ナイト”なんかではなく、文学フリマ前夜祭であって、参加した各人が主役であったのだ。言うまでもなく。
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by suikageiju | 2013-04-14 07:50 | 大阪 | Trackback | Comments(0)
大阪文学フリマ
 西瓜鯨油社は4月14日(日)に堺市産業振興センターで開催される大阪文学フリマに参加する。文学フリマは作者の技量が問われる場ではない、そこで問われ続けているのは常に読者の力量である。
 たとえば誰かに「(心を)傷つけ」られたと思った人は、その誰かが自分の心を「傷つけ」たのだと信じる。これは脳が自分を欺いている。脅迫や暴行ではない限り、その人はただ自分の思考の結果として誰かの言動を不快に感じただけだ。つまり自分の心を「傷つけ」たのは自分自身の思考に他ならない。その「傷つけ」因子を他人に投射することでその人は問題解決から遠ざかり、心の自傷を続けることになる。
 同じように読者は作者に「傷つけ」られはしない。読者が自身の力量の範囲内での読解で自分自身を「傷つけ」ることがあるだけだ。もちろん作者は読者を「傷つけ」たいのだろう。だが、もし文章で誰かを「傷つけ」られる作者がいるとするなら彼は天才である、間違いなく。一般に読書の痕跡は読者自身によって刻まれる。その部位は千一夜物語風に瞼の裏だ。
 才能や感性や天才といった属性から切り離され、その神話を語ることすら許されない21世紀の作者は、単なる文字列排出機としての自覚と痛みとを抱えながら中百舌鳥の地に集うだろう。文学の読み解きを期待しながら、或いは何も期待せずに。

【配置場所】
 B-56

【頒布物】
・『オルカ』(108頁)、牟礼鯨、新刊
 この物語に「救い」はない。女だけが死ぬ感染症、そのパンデミックから、たった一人生き残った最後の女「オルカ」。 その少女を守るは三百の去勢旅団、性交を望むは三億の男達。噴き上がるような性衝動を抱きながら男たちは戦う、人類史を明日へと繋ぐため。生きる意味を喪う幻想SF文学。
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鯨暦譜企画:『匣と匠と匣の部屋』(rg、A-22)とこの『オルカ』を併せて購入すると特典『鯨暦譜』をもらえる。限定32部。
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・『コルキータ』 新装第四版(174頁)、牟礼鯨
 「コルキータを買った男は四十日で死んだ」、16歳になる前に男を知った罪によって子宮を奪われた美少女娼婦コルキータにまつわる娼婦幻想譚。コルキータは彼女を買い肉体を蹂躙した男たちを次々と呪い殺していく。彼女に恋をした青年ダオの求愛行動はやがて殖民地戦争にまきこまれ叙事詩となる。真実の愛さえあれば呪いを防げると信じたダオに待ち受ける運命とは? 痙攣する文体と官能的言語があなたの生殖中枢を刺激する。
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・『南武枝線』 (82頁)、牟礼鯨、関西初
 神奈川県川崎市を舞台に、痴漢で出会った嘘つきとサイコパスが繰り広げる異化作用。そして、嘘つきの始めた「新日程」が南武支線を怪異させる鉄道幻想譚。頒布後はこんな感想を戴きました。
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・『flugas filozof'』(賢者は飛ぶ、128頁)、牟礼鯨
 福岡ポエイチ向けに編纂された九つの卑猥短篇集。かつて、ミソジニー中毒文学と呼称された『ガリア女』を基盤にした現代奇譚。
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・『文学フリマ非公式ガイドブック』第二版と第三版、委託
 賛否両論、罵詈雑言。白濁沈殿する創作文芸界隈を震撼させた「本当におもしろい」小説を紹介する非公式ガイドブックの総入替え第三版を大阪で頒布。このガイドブックに掲載された本を読まないで「文学フリマに行く価値なし」「文学フリマに読む本なし」と断定するのは知的誠実さに欠ける。

【備考】
・「西瓜鯨油社宣言」を読むと弊社の方針が分かります。
・「西瓜鯨油社」は「すいかげいゆしゃ」、「牟礼鯨」は「むれ くじら」と読みます。
・事前に質問などがございましたら「murekujira◎gmail.com」(◎→@)やコメントまで。
・ブースに鯨がいない場合は立ち読みするかAmazon Kindleストアでショッピングして待っていて下さい。
・4月13日20時に集まりたい人はこの記事を読んで下さい。


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by suikageiju | 2013-04-05 20:58 | 大阪 | Trackback(1) | Comments(0)
第十六回文学フリマ前夜祭
 大阪文学フリマの前夜に集まろうと文学フリマ前日に大阪で文学的存在と会うにはという記事を書いたところ

 という嬉しい反応があった。御大それって「鯨ナイト」に参加したいってことじゃないですか? というツッコミは無しにして「『非公式ガイドブック』なんてくだらないことをどういう了見でやっているのか」という命題についても4月13日(土)20時より味園ビル2Fで徹底的に話したいと思っている。鯨も当初非公式ガイドブックはくだらないと思っていた。だからこそ鯨は非公式ガイドブックに責任編集者として加わる選択肢を採った。それぞれがこの企画について思うところや怨み節があるだろう。だから鯨は君の「理屈」を聴きたい。

 気骨のある人はぜひそれぞれの「武器」を持参の上で来て欲しい。鯨は自分を怨んでいる人間、嫌っている人間と話すのがとても好きなのだ。なぜなら鯨を怨んでいる、嫌っているということはその人のなかに鯨と同じ部分があるから。その人がその人自身の内なる「鯨」とどう向き合っているか、それを知りたく思っている。また、鯨のことを好ましいと思っている人間と話すのも勿論好きだ。その人は鯨にないものを持っているから。

 それだけではない、第十六回文学フリマ前夜には同じフロアの秘密倶楽部にて猟奇的な人々の魔宴が催されると聴く。どうやら13日の夜、味園ビル2Fは文学フリマ界隈の人で溢れることになるだろう。

 あと、4月15日(月)に有給休暇を取りました。
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by suikageiju | 2013-04-01 22:45 | 大阪 | Trackback | Comments(0)
文学フリマ前日に大阪で文学的存在と会うには
 何者でもない者に皆なりたがっているのに、どうしてか結局誰もが何者かになってしまう。普通であり続けようとして、結局誰もが普通の列から転がり落ちる。誰のものでも無い本を売ろうとして、結局自分の本を売ってしまう。そういう失敗した人たちの列伝をひとつひとつ細やかに書き留めていきたいと思う。

「会う」ということの難しさ
 「会う」という動詞は難しい。例えば国際補助語エスペラントで「会う」という意味の動詞「renkonti」は他動詞であり、出会う片一方の目線でしかその出会いを語れない。もし「私たちは会った」と双方向的なら自動詞「renkontiĝi」を使う必要がある。またフランス語で「会う」という意味の他動詞「rencontrer」を一人称複数を主語にして使うときは、Nous nous rencontrons. と代名動詞の相互的用法を使わなくてはならない。他動詞も自動詞も一緒くたにして分けない日本語母語話者はこれらの言語を使うとき語りの目線はどうなっているのか、ちょっと脳髄をひとひねりする。
 日本語の場合、誰の目線から見てその出会いを描写しているのかという考えよりも、その出会いが自分にどのような感情を抱かせるかによって「会う」という動詞を使い分けている。たとえば「逢う」は胸がときめき、「遭う」は嫌な思いが残り、「遇う」はまったく予期せず眉をしかめ、「邂う」や「逅う」はまったく白地で予期もしていなかったという感情がこめられている。すべて「会う」で事足りるけれど会合、遭遇、邂逅で使い分ければ短い言葉で読み手が創作できる。
 きっとあなたの文学的存在との出会いはいつのまにか「遭遇」へと変わっているだろう。

第十六回文学フリマin大阪に前のりする人がいる
 「文学」という形骸化して実体の薄いジャンルにあって、それを高尚な芸術であると誇ったり、はたまた低俗なキャラクター小説として貶めたりする人は苦手かな? 生活者の目線から日本語の可能性、日本における実生活の可能性を試す仕事に携わる作家たちのイベント「文学フリマ」が2013年4月14日日曜日に堺市産業振興センター(大阪府堺市北区中百舌鳥)で開催される。俗に云う第十六回文学フリマ、大阪文学フリマである。実はその前日13日(土)早朝に牟礼鯨は大阪入りする予定だ。

4月13日(土)20時
味園ビル2F デジタルカフェスクリプトにて



きっかけはなんとなくそういうものがあるといいとおもったから
 なんとなく文学フリマ前夜に誰かと飲んで語り合えたら良いねと思ったのは、今年の正月まさに大阪のデジタルカフェで飲んでいたときで、しかも場所取りと云えば雪ヲさんに
「実は4月14日に大阪で文学フリマってイベントがありましてね」
「はい」
「その前日にここで仲間と集まっていいすか」
「いいですよ。何人くらいですか?」
「1~10人くらいかな」
「ぜんぜん大丈夫ですよ」
 と口頭でやりとりしただけだ。ひどく不整備である。ただここは充電器があれば携帯端末を充電できるし、wifiもある。それに4月13日の夜には味園ビル内とその周辺に多くの文学フリマ関係者が散開しているはずだから。

客体でしかない神々の踊る楽園
 文学フリマ前夜に集まりたい人が集まる日時と場所は決めた。ただ、そこで何をするのかは決めていないし特に何をするつもりもない。鯨は鯨でいつもの鯨の大阪滞在をなぞるだけで、ただ宥和主義者らしくそこで誰かと話したり議論したり誰かを論駁したりしたいと思っているだけだ。だからそこに集まって知らない人同士で話しても良いし、秋山真琴がボドゲを提案するかもしれないし、森井御大が何の前触れもなく全裸になるかもしれないし、飲んでいる途中で誰かと誰かが「ちょっと出かけてくる」と言ったきりしばらく帰ってこないことがあるかもしれないし、酔った佐藤さんが大暴れするかもしれないし、何か突拍子もないハプニングが起こるかもしれない。それに全然鯨と面識がなくても、あるいは面識の無い方こそ来てくれればと思う。鯨は通天閣のようなもので、主役でも主人でも何でもない、そこは客体でしかない神々の踊る楽園だ。文学フリマ前夜に集まりたいと思った人がその場を利用してくれれば幸いだ。そして文学フリマに参加しない人でも。ちなみに終わりの時間は未定。帰りたいときに帰れば良い。畢竟いつか皆死んでしまうのだから。

第十六回文学フリマ前夜祭


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by suikageiju | 2013-03-27 23:22 | 大阪 | Trackback | Comments(0)
動物園前(新今宮)は投宿地として最適か?
 弊社ブログ記事「第十六回文学フリマin大阪」会場踏査において「総合すると投宿に最適なのは地下鉄も南海高野線も通る動物園前(新今宮)近辺となるだろう」と書いた。


 すると女性の創作文芸結社の方2名から指摘を受けた。
動物園前近辺は非常に治安が悪く女性の一人歩きは論外(男性女性に関わらず宿泊も勿論)と大阪人でも云われます。by泉由良さん


 鯨は「日本のどこであろうと、時刻を問わず、女性の一人歩きは危険をともなう」と考えているし、「女性は歩く性的危険体」とも考えている。その考えからすると女性が存在するところが即ち移動危険地帯なのであって、固定された地域・場所が特に危険ということではない。
 上記のお二方の指摘はご尤もなのだけれど、いずれも「云われます」「言われました」といった伝聞、卑俗に云えば噂話程度の情報でしかない。もちろんそのような噂が立つくらい、大阪市西成区北東部、動物園前から今池、萩ノ茶屋にかけての釜ヶ崎地区は日本のなかでも混沌とした特殊な「場」であるのは確かだろう。むかし女子大生3人組がV系バンドの地方公演に駆けつけるために釜ヶ崎地区の安宿に泊まったところ、早朝安宿の窓から老婆が路上で放尿している場面を目撃したという。では噂などではなく、実際に数値として現れる釜ヶ崎地区の危険性はどうなのだろうか。平成24年の大阪府における刑法犯罪種及び手口別発生市区町村別認知件数を各区の平成24年12月の推計人口で割って、犯罪遭遇率を算出してみたところ西成区は大阪市24区中8位の犯罪遭遇率となった。
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 これだけ見ると繁華街を含む中央区、北区、浪速区の方が西成区よりも犯罪に遭遇しやすいそうだ。それでも西成区が特に危険と言われるからには西成区には警察が認知しきれないくらい陰謀論的にヤバい犯罪が多数発生しているのだろうか? 参考になるかは不明だが平成14年には日本全国の警察署のなかで西成警察署が殺人の認知件数第1位だったこともある(衆議院議員長妻昭君提出全国警察署の犯罪発生件数及び検挙率に関する質問に対する答弁書)。ただ過去に何度かこの地区を訪れてこの地区で宿泊している押井徳馬さんは以下のように述べている。
 
 浮浪者=危険というイメージも分からなくはない。鯨もイスタンブルのテオドシウスの城壁でジプシーの子供たちに「マニー! マニー!」と囃し立てられ追いかけられた。結局一銭も盗られなかったけれど、結構危険な状態だったのかも知れない。なぜなら子供は足が速いからだ。以前に鯨が西成区の釜ヶ崎地区を23時ごろに歩いたときも浮浪者が多数徘徊していたけれど、いずれも足腰が弱そうだったので万が一襲われても義務教育を受けた30歳未満であれば徒競走の要領で走れば重いカートを牽いてもいない限り容易に難を逃れられるだろう。ゾンビ映画でゾンビに追いかけられた時のことを思い出せば対策はいくらでも立てられる筈だ。


 森井御大は映画「太陽の墓場」を紹介すると共に釜ヶ崎で起こった数度の集団暴力事件について述べ、文学フリマという「文学」を冠するイベントに参加するのだから、大阪における文学のひとつの現場を素通りするわけには行かないとも述べている。危険性が高いから低いから投宿地として不適だ最適だという理屈ではない、そもそも危険性が高い特殊な「場」だということは相対的に文学性が高いということ、であるならば文学フリマに参加する以上そこを避けるわけにはいかないのではないかという文学のありかたに寄り添った主張である。文学フリマの文学性の無さが指摘される昨今、たとえ超文学フリマだろうが大阪文学フリマだろうが、森井御大のこの視座だけは失ってはならないだろう。文学的体験と即物的事案を分けて考える限り、その思考の結果として産まれる文学は偽物でしかない。

 では、結局のところブログ記事に書いたように「動物園前(新今宮)近辺」が本当に最適な投宿地か? というと、西瓜鯨油社にとっては最適だが、万人についてもそうだとは言えないというのが今提出できる答えだ。そのくらい自分で決めろと言いたい。そしてもう一つ言えるのは大阪文学フリマに向けての投宿地を選ぶ際になるべく危険を避けたいという方はよくよく対策しておいた方が無難だ、ということくらい。女性であれば恋人や配偶者、父親あるいは護衛の男性とともに来阪することをお勧めする。それと、大阪では浮浪者よりも警察官や高校体育部の顧問の方が暴力的で恐いので「公務員だから安全」などと油断して注意を怠らないよう気をつけて戴きたい。
 それでは大阪であなたが濃密な文学的体験を経ることを祈る。
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by suikageiju | 2013-02-10 12:55 | 大阪 | Trackback | Comments(0)