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コミティア89新刊
 コミティア89で販売する書物が決まりました。

【販売物】
 『一つの愛とその他の狂気について』
     48頁(予定)/文庫サイズ/1冊200円/販売冊数28冊
  ある少年を救おうとしたためにその少年を追い込んでしまった祭司の物語。

 『掌編集』
     280頁/文庫サイズ/1冊500円/販売冊数24冊
  50余編の掌編集。上記と同じ世界での群像劇。

 *2冊セット/600円
  まとめ買いがお得!

【配布物】
 「西瓜鯨油通信」100枚
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by suikageiju | 2009-07-26 23:30 | COMITIA | Trackback | Comments(0)
コミティア89
 8月23日(日)に東京ビッグサイトで開催されるCOMITIA89に西瓜鯨油社は当選いたしました。場所は
 ふ07b
です。『掌編集』の他に44頁前後の「新刊」を出す予定でしたが、新しく何かを書く予定です。あくまでも予定で、まだ着手していないので詳細は不明です。

コミティア


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by suikageiju | 2009-07-26 22:56 | COMITIA | Trackback | Comments(0)
オイディプス王

オイディプス王 (Reĝo Edipo)

ソポクレス / 岩波書店

スコア:



 ガブリエル・ガルシア・マルケスが関税法に関してコロンビア一詳しい男に「作家として大成したければ、ギリシアの古典を読まなければいけないよ」と言われて手渡された本である。神託によって告げられた運命に抗えなかったオイディプス王が、最後に自分の両目を潰して
こうなったのはアポロンのため、親しき友らよ。それはアポロン―
このわしの こんな苦しい受難の運命をもたらしたのは。
だが両の眼を突き刺したのは ほかならぬみじめなわし自身。

と叫ぶのは悲痛だ。人物配置も謎の解き明かしも一切無駄がない。完成された物語だ。
 気になるのはスフィンクスの存在。ライオス王の死とともにテバイの人々に謎をかけ、命を奪っていた女面獅身はオイディプスの実の姉妹とも言われている。彼女はいったい何を暗示しているのだろうか?
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by suikageiju | 2009-07-24 09:40 | 感想 | Trackback | Comments(0)
掌編集
lolの屋代さんより『掌編集』の感想。

 「掌編集」牟礼鯨(西瓜鯨油社)

 原稿用紙数枚程度の掌編がなんと50篇以上も入ってる。そのぎっちり感が文庫サイズと調和している。それでも題材のかぶってる作品はなかったと思うので、相当なもんだと思う。まあ、僕は読んだ端からものを忘れていく類の人間だが。

 全作品が、淫靡で抑圧的な宗教と強権の帝国が支配する洋風異世界、という世界観で統一されている。でも、異世界関係ないじゃん、現代舞台でいけるじゃんっていう主題の話もままある。それでもあえて統一した所は果断だと思う。

 <「どこかで読んだかもしれない」と読む人に思わせる短編を書いています。>

とサークル紹介であったけど、まあ、そう言われればそうだが、それで、良いんじゃないかな、と思わせるものはある。なんだろう、特に文章が絢爛、とかではなく、どちらかといえば無駄のない感じ。

猟奇的な内容(ただ少女が絞首刑になるだけの話とか、あと畸形の話とか目立つ)の話がやや多めだが、急に文体も内容もさわやかめな(或いはそう見える)作品が出てきたりもするので、なんかこう大食いで言う「味変」みたいな効果を受ける。さっきまでケチャップで食ってたけど、醤油で食う、みたいな。

 都合上一気読みしたが、一日3篇とか、ちょっとずつ寝る前に読む、とかそういう読み方がイケてるかも。寝付き悪くなる人いるかもしれないけど、僕はイケるよ。

 とにかく50篇以上も一冊に収めてるので、次があるのか、という不安はある。まだ世界図書館に在庫があるなら、是非趣向を変えて次回も参加して欲しい。

http://lollollol.exblog.jp/10973066/

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by suikageiju | 2009-07-13 11:24 | 弊社発行物 | Trackback | Comments(0)
愛その他の悪霊について

愛その他の悪霊について
(Pri la amo kaj aliaj demonoj)

ガブリエル ガルシア=マルケス / 新潮社

スコア:



 まるで髪長姫の童話を読んでいるような気分にさせられた。『愛その他の悪霊』の「愛」とは、産まれてから一度も切ったことのない髪をマントのようにひきずっている12歳で混血の侯爵令嬢シエルバ・マリアのことであり、彼女はカサルドゥエロ侯爵に見捨てられて奴隷小屋で成長し、犬に噛まれて狂犬病にかかって悪魔祓いによって殺された。「その他の悪霊」とはシエルバ・マリアを悪魔憑きとして扱った修道女や修道院長や司教のことだ。
 あらすじはここで書くことはないが、脇役が魅力的だ。「昔のほんもののキリスト教徒のようにふるまった」と評された新副王ドン・ロドリーゴ・デ・ブエン・ロサーノ。恐怖におびえるシエルバ・マリアに黒人の数珠を返して安心させてやったトマス・デ・アキーノ・デ・ナルバエス神父。トマス・デ・アキーノ神父は修道院に囚われたシエルバ・マリアを解放しそうな役柄で、大人物であることを読者に見せながらもわずか4ページで貯水槽に浮かんで死んでいた。
 この物語の舞台と『コレラの時代の愛』の舞台は一致している。ウルビーノ家の最初の家は旧カサルドゥエロ侯爵邸であり、その近所にあったディビナ・パストーラの精神病院はこの作品にも登場する。2つの作品を読み比べるといいだろう。
 彼は人差し指と親指で十字架を持って掲げた。
「神の名において聞く―何者だ?」と彼はたずねた。
「苦悶する魂です」と彼女は答えた。

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by suikageiju | 2009-07-07 09:44 | 感想 | Trackback | Comments(0)