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自己紹介
 こんにちは。私は西瓜鯨油社の社首、牟礼鯨(むれ くじら)。弊社の作品を購入していただいている方はどうもありがとう、まだ買っていない方はこれから宜しく。それでは、今日はちょっとした自己紹介を。

 私は1984年に産まれ、客嫌いの両親に養われて非社交的な子供に育つ。家には蔵書がたんまりあり、シートン動物記、ファーブル昆虫記、海外児童文学の名作集などを繰り返し何度も読む。お気に入りはドリトル先生シリーズ。小学校中学年からは岩波少年文庫など児童向けの文庫を読み耽る。愛読書は『チポリーノの冒険』。中学受験のための勉強は嫌いだったけれど、子供部屋に軟禁されていたので、見つからないようにこっそりと本を読んだ。なので本を読んでいるのを見つかるとひどく撲たれた。そのため、読書は禁じられた遊びと云う感覚が私にはある。
 私立中高一貫校に上がってからまったく勉強しなかったので落ちこぼれになり、中国史に熱中する。三国史ではなく春秋史に熱中して『春秋左氏伝』を読む。今の文体の基盤はこれにある。また「帝国」の原型となるノートが高校生のときから書き始められる。一年間に300冊くらい読む。村上春樹、長野まゆみ、森茉莉、筒井康隆、川端康成、澁澤龍彦、中原中也、田山花袋、泉鏡花などなんでも読んだ。ヘロドトスの『歴史』を読んで「破瓜祭」の原型となる物語を執筆する。また中高6年間で42都道府県を旅する。受験生になり、ノートはすべて破棄。英語は不定詞もわからない状態だったが、国語と世界史は勉強しなくてもできたので、英語と国語と世界史の3科目受験で入れる大学を受ける。都立大と私立大に受かり、私立の文学部に通う。
 大学ではアラビア語とイスラーム史を専攻し、文学と人生について学ぶ。ボルヘス、ガブリエル・ガルシア・マルケス、チェーホフ、カフカなど友人の勧めで海外文学を読み始め、一年間に100冊くらい読んだ。シンガポール、トルコ、チュニジア、台湾、タイを旅行する。大学4年生からエスペラントを学んで、エスペラント運動に携わり、世間を知る。大学5年生の卒業間際の1月、施設に就職が決まる。それから卒業までの3ヶ月の間に『掌編集』に収録されたほとんどの物語が書かさった。中学生のときに書く楽しさに目覚めてから実に8年かかって自分の書きたいものを書けるようになったのだ。施設は5ヶ月働いて辞め、日本中を放浪して47都道府県全てを旅した後、北海道に移住する。5月に西瓜鯨油社を設立する。

 9月からは西瓜鯨油社の売り子さんによる記事が始まるので、お楽しみに。
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by suikageiju | 2009-08-31 01:16 | 雑記 | Trackback | Comments(2)
悪について
 私の物語に悪役はいない。悪役とは絶対的な悪のことだ。絶対的な悪は現実世界に存在しないと私は考えるので、私の物語に絶対的な悪は登場させない。しかし相対的な悪は現実世界に存在すると考えるので、私の物語に相対的な悪は登場させる。相対的な悪とは何か?
 それはたとえば「動物愛護家にとってのイルカ漁師」である。確かに日本人である私の感覚でも「イルカ"さん"を殺すのは少し酷いかな」と思う。しかし、太地町のイルカ漁師にとってはイルカは生活の糧であり、イルカ漁師の家族にとってイルカ漁師は自分の生活を成立させてくれる恩人だ。かわいそうだの何だの言ってはいられない。だが、ニューヨーク市で映画「The Cove」を観た60代の男性は「残虐な漁師たちが許せない」と発言する。イルカ漁師は一方では恩人であり、一方では残虐な悪人である。イルカ漁師は相対的な悪だ。
 児童文学家の上橋菜穂子さんは「善意から出た悪」がもっとも恐ろしいという。「善意から出た悪」は相対的な悪をうまく言い表していた言葉だ。オーストラリア政府はアボリジニーの子供を親から引き離し、施設で育てた。「子供たちが文化的な生活ができず、かわいそう」という善意からの施策である。イルカ漁師の件でオーストラリアのブルーム市は太地町との姉妹都市提携を停止した、これも「イルカがかわいそうだから」という善意である。君が自分は正しいと信じている限り、自分の行動は常に善意に基づいていると信じている限り、君は自分の行動に悪の要素は皆無だと思い込むことができる。しかし別の誰かもきっと同じことを考えている。そして別の誰かは君を悪だと考えているかもしれない。
 モンテーニュは『随想録』のなかで「すべての人間は、自分とやり方がちがえば、これを野蛮という」と書いている。絶対的な悪は存在しない。でも、相対的な悪と小さな悪意はこの人間世界に充満している。

イルカ漁、米で物議 和歌山舞台の映画、潜入・隠し撮り
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by suikageiju | 2009-08-25 09:47 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
コミティア89総括
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実家にて

 充実した1日だった、といっていいだろう。他の文章系サークルさんとの交流もあったり、売り子さんを採用して社員が一気に2倍になったり。「社の間口を広げる」というコミティア参加目的を果たすことができた。そしてコミティアで文章系は肩身が狭いこと、文学フリマは「ブリマ」と略することを知った。

【収穫物】
『桜塚回帰』からくり海月(ふ07a)
人物関係がごちゃごちゃしていたが、紅い桜とある家族にまつわる、涙をそそる話。開場前に読んでホロリとさせられた。行間をもう少しあけると読みやすくなるのではないだろうか?でも、女性らしい繊細さを十二分に感じた作品。お買い上げありがとうございます。

『皇神』えぐぼん(と19b)
未読

『物語修復師−異典』ICU(な06a)
旧字体の漢字を大きく、平仮名を小さく組んだ装丁と「バベルの図書館」という文句に惹かれて買った。パリンプセストや揺籃本などの言葉に熟達した衒学趣味を感じる。私もこの位の構成力と演出力が欲しいな。

『ITパスポート試験』知識雑学研究所(ふ06b)
まず私はExcelの関数の組み方から勉強しないと、な。お買い上げありがとうございます。

『MIRAGE NO.03』バンタンノベルズ専攻 team VIN(ふ08a)
専門生の書いた14篇の掌編を集めた本、それぞれにイラストがついている。戦闘場面を活写したもの、恋話、腕もげ少女、クトゥルー神話もの、軽いBLなど。どれも人間不在だが、「FALL DOWN AND FLY HIGH TO HEAVEN」と「自殺理由」だけが気に入った。「自殺」という極限まで人間を追い詰める主題だけあってか、人間に迫ろうとしていた。

『RAY ANGEL space remix』他 侍カリュウ研究所(ふ16a)
未読。お買い上げありがとうございます。
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by suikageiju | 2009-08-23 20:40 | COMITIA | Trackback | Comments(2)
設営完了
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 コミティア89での西瓜鯨油社はこんな感じのスペースになりました。手作り感満載です。
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by suikageiju | 2009-08-23 10:42 | COMITIA | Trackback | Comments(0)
COMITIA89
 西瓜鯨油社(すいかげいゆしゃ)の牟礼 鯨(むれくじら)です。8月23日(日)開催のコミティア89にサークル参加します。コミティアへの参加は初めてで、これまでのイベント参加経歴は第八回文学フリマのみです。

【配置場所】
 ふ07b「西瓜鯨油社」(西1ホール)

【頒布物】
<新刊>
『一つの愛とその他の狂気について』(200円、44頁、28部)
 ある少年を救おうとしたために、逆にその少年を追い込んでしまった祭司の物語。
 
<既刊>
『掌編集』(500円、280頁、35部)
 50余編の掌編集。上記と同じ世界での群像劇。新刊を深く理解するためにも必読。

【備考】
・基本的に鯨が対応しますが、トイレ休憩などで席を外しているかもしれません。
・はじめてお会いした方と本を交換する際は既刊『掌編集』を交換いたします。
・新刊は28部用意します。余裕のある部数ですが売切れてしまった場合はご了承ください。
・「西瓜鯨油」は「すいかげいゆ」、「牟礼鯨」は「むれ くじら」と読みます。
・現在「売り子」募集中です。次回は12月6日にお願いすることになります。
・質問などがございましたらコメントや「barkituro◎gmail.com」(◎→@)まで。
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by suikageiju | 2009-08-16 18:30 | COMITIA | Trackback | Comments(0)
社是社訓
社是
NON MULTA SED MULTUM

社訓
「くすぐったいくらいの好奇心を持つ」
「教養を常に高めていく」
「自分とは異質な人間の存在を認める」


 今、西瓜鯨油社は文学フリマやコミティアなど同人誌即売会などで活動する小さな文学結社に過ぎない。しかしいずれは、文学・美術・漫画・映像・音楽・演劇・服飾・写真・建築・料理など日本人の生活に密着した、多岐にわたる活動を展開する教養主義的総合芸術結社を目指す。しかしあくまでも活動の中心を文学におき、2060年までにノーベル文学賞を受賞する。
 以下は活動計画である。

1)文芸ではない文学作品を出版する
2)文学漫画、歴史漫画、哲学漫画を出版する
3)文学作品の映画化・映像化を行う
4)文学作品を戯曲化し、演劇を興行する
5)「歴史、気品、文学、詩」を連想させる服のデザイン開発と雑誌の出版
6)画家を育成し、ポスターや壁画など装飾絵画・彫刻を作成する
7)小学生に学ぶ楽しさを伝える塾を経営する
8)気品ある女性像を広めるための女優の育成と写真集の発売
9)健康的でかつ飽きない食品の開発と飲食店の経営
10)国際補助語エスペラントの宣伝と教育
11)歴史と伝統と安らぎを感じさせる建築、構造化された空間の設計
12)発達障害を抱える子供の教育と彼らの可能性の開発

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by suikageiju | 2009-08-13 10:18 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
ティアズマガジン vol.89
 『ティアズマガジン vol.89』を買う。ティアズマガジンをビッグサイトで買ったことはあったが、書店で買ったのは今日が初めてだ。一般参加とサークル初参加の意気込みの違いである。p.109の「参加サークル地方分布図」に弊社が北海道代表として載っているのにはびっくりした。しかし北海道勢で直接参加なのはMNJさん(も17a)、札幌の六畳一間さん(せ14b)、シャザーンさん(き17b)と弊社の4サークルのみ。あとは委託参加である。とらのあな札幌店の店員に「コミティア」と言っても「コミケ」と勘違いされるくらいだ。ここは文化の僻地・北海道なのだ。
 気になったのは文章ジャンルの分断。文章ジャンルの塊が、弊社の属する「ふ」島、「と」島と評論・情報ジャンルと分割している「な」島、そして「さ」島と「し」島の3つに分断されている。ジャンル配置上、つまり運営上の意図でもあったのだろうか?それでも、なんとなく「文章」「評論・情報」「歴史」「旅行記」は「いらない子」扱いをされているような危惧がある。私はそれらをよく巡廻するので分断させないでまとめて欲しい、ジャンル「少年まんが」のように。
 さて、弊社とせまい机の上で1mm単位の領土争いを繰り広げるのはからくり海月さん(ふ07a)。通路を隔てて見つめあい、ちょっと視線を逸らして戻したらまた視線があって気まずい思いをするのは夢想空間さん(ひ20a)。忘れてはいけないお隣さんはバンタン・ノベルズ専攻さん(ふ08a)、おっとバンタン電影アニメマンガ学院の生徒さんたちだ。コミティア89当日はご迷惑をおかけすることになると思いますが、何卒よろしくお願いします。
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by suikageiju | 2009-08-09 21:16 | COMITIA | Trackback | Comments(0)
入稿
 8月4日に印刷会社さんに入稿を済ませる。新刊『一つの愛とその他の狂気について』は合計48頁となり、頁数は予定していたものと同じになった。この作品の国際補助語での題名はPri unu amo kaj la aliaj frenezojである。ここでいう国際補助語とはエスペラントのことだ。
 第八回文学フリマで出した冊子『地質学者』のエスペラント題がLa geologoであったように、『掌編集』の五十余編にもそれぞれエスペラントによる題がある。たとえば掌編を総括する題は幾夜一夜Kelkaj noktoj kaj unu noktoであるし、「破瓜祭」はdeflora festoである。「グンガラ奏でる音がする」は意訳でGngala ludas kaj sonas、「何でもない一日」はNegrava tagoだ。エスペラント名は全ての物語に、国際補助語で書かれた世界図書館蔵書からの翻訳という性格を与えている。
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by suikageiju | 2009-08-06 09:11 | COMITIA | Trackback | Comments(0)