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パリ・ロンドン放浪記

パリ・ロンドン放浪記 (岩波文庫)

小野寺 健 / 岩波書店


 パリのレストランやホテルで食事をしたくなくなること請け合いの一品。これは『1984』や『動物農場』で知られるようになる作家ジョージ・オーウェルがビルマでの警察官勤務のあと、パリやロンドンで送った放浪生活とそこで出会った浮浪者について記したルポルタージュである。
 パリ編では主にボリスというロシアの元軍人と行動を共にしてホテルの皿洗いやレストランの皿洗いとして働いた様子を描き、ロンドン編ではスパイクからスパイクへと移動する放浪生活を描いている。パリのホテルやレストランの不衛生な厨房と不潔な料理と南京虫の行列に吐き気を覚え、スパイクではこびりつく垢の描写に美しささえ感じるだろう。
 ロンドン編では浮浪者について社会的な考察も書いてある。この本で特に印象に残ったのは教会や宗教関係者の慈善や施しに対する浮浪者の態度である。ジョージ・オーウェルは印象的な一文を残している、「慈善を受ける者は、必ずと言っていいほど、与えてくれる人間を憎むものだ」
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by suikageiju | 2010-04-22 09:45 | 感想 | Trackback | Comments(0)
第十回文学フリマ・サークル配置訂正
 先日発表された第十回文学フリマのスペースの記載が間違っていたらしく訂正が入った。西瓜鯨油社は島端の「I-11」のままだが、Lumiereさんや白昼社さんや雨宮恵さんや1103号室さんは訂正が入ったようだ。詳細は摑んでいない。

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 というわけで汗ばんだ背中を合わせるのは1103号室さんではなく、文藝同人誌遡さん、通路を挟んで睨めっこをするのは神楽同盟さんとなった。背中が汗ばんだり、睨みつけたりしてご迷惑をおかけするとは思いますがよろしくお願いします。
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by suikageiju | 2010-04-21 08:59 | 文学フリマ | Trackback | Comments(0)
第十回文学フリマ・サークル配置
 第十回文学フリマのサークル配置が決定した。西瓜鯨油社は2回連続の島角で「I-11」となった。

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 ちなみに汗ばんだ背中をぴったりと張り合わせる「J-11」は霜月みつかさんの1103号室。お隣の「I-12」は菊池とおこさん、この方の本はタコシェで見たぞ。睨めっこする「H-11」は日本民主主義文学会代々木支部さん。お、鳥久保咲人のLumiereは「A-14」と入り口に近くで、桐生さんの-Escape-
「D-05」だ。前回お世話になったサロン・ド・マロリーナさんは「N-04」、三糸ひかりさんのソベルテクァイユは行列対策で「G-01」、ワタリサエコさんのナタリーは「L-18」か。あとは佐藤さん、虚影庵さん、MisticBlueさん、SKIPJackさん、南洋文芸通信社さん、雲上回廊さん、下町飲酒会駄文支部さん、ノンポリ天皇さん、雨宮恵さん、LOLさん、NorthWest航空さん、Spin Quantum Numberさんなどが気になるけど、サークル紹介もないのに何も言えない。全422サークルがゼロからのスタートだ。また幻視社さんやカンダタさんなど見知った名前が見当たらない寂しさも味わった。
 鯨が寄稿した伊藤鳥子さんの絶対移動中も行列対策で「K-01」、同じく寄稿した奇刊クリルタイさんは「L-02」である。開場と同時に西瓜鯨油社を訪れたら、次は「絶対移動中」そして「奇刊クリルタイ」が妥当だろう。その他にも新しいサークルさんや、新しい作家さんとの出会いも楽しみだ。
 牟礼鯨は新刊『複雑系』を携えて、第十回文学フリマへ赴く。
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by suikageiju | 2010-04-19 16:41 | 文学フリマ | Trackback | Comments(0)
コミティア92
 西瓜鯨油社の牟礼鯨です。5月4日(火)に東京ビッグサイトで開催されるコミティア92/COMITIA92にサークル参加します。コミティアへの参加はコミティア89から今回で連続4回目になります。もう説明不要かと思いますが、コミティアは創作オンリーの同人誌即売会で、二次創作はありません。もう一度言います、二次創作はありません。

【配置場所】
 Y27b
 魅惑の「文章」島です。

【頒布物】
<新刊>
『複雑系』
 牟礼鯨による16の短編集。『オイディプス王』の二次創作「エディポ」や西瓜鯨油社版『闇の奥』を含む。
タロティスト
 中澤いづみによる、タロットを題材にした物語。魅惑と幻想の都市へと読者を誘う。

<既刊>
『コルキータ』
 牟礼鯨による、買った男が次々に死んでいく美少女娼婦の物語
『掌編集』
 完売御礼

【備考】
西瓜糖文学賞を募集中。
・女子高生は生徒証を提示すれば無料で一冊進呈します。
Twitterでコミティア当日に「西瓜鯨油社」「 @murekujira 」「 #comitia 」と呟けば「フォロワー数の10の位を切捨てた数」×1円をツイ割します。
・文章創作サークルによるお気楽共通商品券に参加します。『複雑系』か『コルキータ』を購入された方はお気楽共通商品券を提示すればお好きな弊社同人誌1冊を無料で進呈します。
・「西瓜鯨油社」は「すいかげいゆしゃ」、「牟礼鯨」は「むれ くじら」と読みます。
・今回、無料配布本はありません。
・質問などがございましたらコメントや「barkituro◎gmail.com」(◎→@)まで。
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by suikageiju | 2010-04-19 09:18 | COMITIA | Trackback | Comments(0)
西瓜糖文学賞ポップ
 古書ビビビさまに西瓜糖文学賞の告知ポップを置かせてもらった。将来の受賞者のための広告である。QRコードをケータイで読み取ると詳しい応募規定を参照できる。作品を書きあぐねているのであれば、『コルキータ』を読んで発想のヒントにしてくれると嬉しい。
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by suikageiju | 2010-04-16 20:01 | 古書ビビビ | Trackback | Comments(0)
コミティア92告知
 来る5月4日(火)、東京ビッグサイト東1・2ホールで開催されるCOMITIA92(11:00~16:00)に西瓜鯨油社(すいかげいゆしゃ)はサークル参加します。配置番号は【Y27b】です。
 中澤いづみ初の単独本(タロットについて)や牟礼鯨の新刊を頒布する他、『コルキータ』も持って行きます。

Follow me! http://twitter.com/murekujira

【東京ビッグサイト地図】

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by suikageiju | 2010-04-05 13:37 | COMITIA | Trackback | Comments(2)
西瓜糖文学賞、標語と審査員
【西瓜糖文学賞標語】
権威も名声もない者による
権威も名声もない者のための
権威も名声もない文学賞



【審査員紹介】
西瓜糖文学賞審査員:牟礼鯨
「他人と触れあうために書いた物語、生きた証として遺したい物語、そんなあなたの物語」




西瓜糖文学賞審査員:中澤いづみ
「あなたのとっておきの嘘をつめこんだ話を、読みたいです」





西瓜糖文学賞の応募規定についてはコチラ
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by suikageiju | 2010-04-04 08:04 | 西瓜糖 | Trackback | Comments(0)
ギリシア奇談集

ギリシア奇談集 (岩波文庫)

アイリアノス / 岩波書店


 これは奇談集である。それゆえに諧謔は少ない。ただ奇談であるがゆえに、多島海世界を生きるギリシア人たちの息遣いを感じることができる。ソクラテスもディオゲネスもプラトンもアリストテレスもアレクサンドロスもテミストクレスもレオニダスもペリクレスもエパメイノンダスもこの奇談集では一登場人物として登場する。この奇談集を流れる空気の味わいは『アナバシス』の味わいと同じである。橄欖と葡萄酒と毒人参の味わい。ちなみにクセノポンもこの『ギリシア奇談集』に美しい武具が好きな人物として登場する。特に気に入ったのは「領民に会話を禁じた僭主の話」で、鯨はこれの末尾に創作を加えて短い物語をつくった。
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by suikageiju | 2010-04-02 18:13 | 感想 | Trackback | Comments(0)
一文改行主義者と文塊主義者
 ネット小説も商業出版の小説も文芸同人も、一文毎に改行するものがある。段落毎ではない。句点から句点までの一文毎に改行していくのである。まるで一文が一段落であるかのように、あたかも一文が詩の一行であるかのごとく。
 鯨は詩を読めない。いや、詩を謳わずに読もうとするので読めないのだ。それは詩が一行毎に改行されていて、そこで眼球を度々急激に運動させなければならず読むのに疲れてしまうからだ。ましてや小説は長い。一文一文改行されたら、文を追うのに疲れるばかりで読むことに集中できない。
 そして一文毎に改行するのでたった一文でリズムが切れてしまう。数文で一段落を構成する文塊主義者はその一段落の間でリズムを持続させるけれど、一文改行主義者は一文毎にリズムをぶつ切りにしてしまう。小説における改行は詩の改行と同じではない。世代間の断絶のようなリズムの断絶が度々起こる。
 また一文改行主義者であってもその一文に意味を拡散させるような重厚な構造があれば良いのだけれど、惜しむらくは過半の一文改行小説は一文が薄っぺらな上に一文毎に意味が途切れている。つまり一文で、女子小学生の投身自殺が起こるようなものだ。鯨は悲しくて、とても読んでいられない。
 一文改行主義者は数千年の風雪に堪えうるラテン語の銘句のような一文を産み出す力を鍛え、詩の連綿たるリズムを学び、新しい一文改行界の境地を拓いて欲しい。
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by suikageiju | 2010-04-02 10:11 | 雑記 | Trackback | Comments(0)