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COMITIA100申込完了
 5月5日に開催され、申込サークルが既に4000サークルを超えたと云われるCOMITIA100に西瓜鯨油社も参加を申し込んだ。この記事は申込完了時に幻出した亡霊と牟礼鯨との間で交された対話である。

 君が自死したと聞かされたときは暫く何も手につかなかった。

亡霊 君らしくない。たかが人一人死んだだけ。平然としていればいいのに。

 こんなことを訊いていいのかわからないけれど、君の自死は鯨が原因だったのだろうか?

亡霊 ふざけないでくれ。僕の死に君は関係ない。僕は自らの死を自分で選び、自分で決めた。君はまったくと言っていいほど関係がない。

 そんなことを誇ったかのように言うな。生を諦めて死に逃げたことを功績のように誇るな。未熟な人間は、唯一美へ到達する手段として死を選びがちだ。生きてさえいれば何か、生きるための目的を見つけるかもしれなかったではないか。遺された者のことを想えとは言わない。けれど、産まれたという奇跡を、君はもっと浪費すべきだったよ。

亡霊 死者に、生前こうすべきだったなんて悲しいことを言わないでくれ。無駄に長く生きることに何の意味がある。僕の生はあの時点で完結していたんだ。十分に生きた、十分に生を楽しむことができたよ。僕の死に君は関係ないが、僕の生に君は確かに関係していたんだよ。

 そうか。君は死を選んだ。その決断を、鯨は尊重する。だが、鯨は生きることを決めた。しぶとく生き続けるよ。君が生きられた時間ではなく、鯨自身の残された生を。そのために、先月末、一次創作の同人誌即売会であるCOMITIA 100への申込を西瓜鯨油社は済ませた。

亡霊 おめでとう。COMITIA95以来のコミティア参加だ。ところで、何を出すつもりだ。新刊はあるのか? 君に新しい本を出すような燃えカスの才能はまだ残っていたかな。

 冥界でもイベント数を指折り数えてくれたかい。2012年5月5日、東京ビッグサイトに鯨は『物語群』増補改訂版を持って行く。嘲うなよ。

亡霊 嘲うよ。やはり、君は新しい本を出すことはできなかったようだ。気力が減退したのか、単なる老化か。前の記事によれば第一版に「浄められた花嫁の告白」を付け加えたものらしいね。

 老化もあるかもしれないけれど、分厚いのを古書ビビビさんに置いておきたいのとやはり物語こそが鯨のやりたい事業だと再認識したんだ。それに前の『物語群』は収録数73篇だったが、今回は収録作を78篇に増やした。値段は前と変わらず1000円の予定。これから世界を放浪しようという人や無人島で一年を暮らそうという人のための一冊、創作文芸究極の書物だ。前の『物語群』は50部しか刷っておらず、すぐに完売した上に、『コルキータ』を250部出したのに比べて部数に差が開きすぎている。なるべく多くの人が掌短編と唯一の中編を両方手に取れるような環境を整えたかったし、これは西瓜鯨油社の社会的使命だ。そのための増補改訂版。

亡霊 自意識過剰も甚だしい。誰がそんな環境を望むと思う? 君くらい頭のおかしい、日本語の通じない人間だけだ。

 「日本語が通じない」は「自分の言うことを聞き入れない」の言い換えにすぎない。

亡霊 君のいつもの論法だな。「他の人が見てどう思うでしょうか?」は「自分は気に入りません」、「常識を知らない」は「自分は理解できない」だろ。正しいかもしれないけれど、そんなことを言っていると嫌われるだけだ。君の前では、誰も聖人君子のフリをできない。君は確かに自分の欲望を隠さないかもしれないが、お願いだからそのわけのわからない論理を他人におしつけないでくれ。

 それが君が自死した理由か?

亡霊 

 もう消えてしまったのか。というわけで第十四回文学フリマの前日にCOMITIA100に西瓜鯨油社は参加する。サークルカットは下の通り。

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『物語群』を持っている人も持っていない人も、子供の日は東京ビッグサイトへ。こんなガイドブック企画(小説サークルガイド@COMITIA100)もあるらしい。現代小説は生きられなかった生のために、そして生きられないだろう生のために。
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by suikageiju | 2012-02-29 19:47 | COMITIA | Trackback | Comments(0)
第十四回文学フリマ参加費振込完了
 西瓜鯨油社は2012年5月6日東京流通センター開催の第十四回文学フリマに申し込み、参加費をすでに振り込んだ。弊社は第八回文学フリマに初参加して、これで参加は七回目になる。昨年末より第十四回文学フリマについては『浄められた花嫁の告白』という本を出すという宣言をしてきた。そしてその宣言の通りに昨年末から思考実験を繰り返したところ、同じ題材と同じ仕掛けで「物語」(5千字)と「現代小説」(2万5千字)という2つの「浄められた花嫁の告白」ができあがった。そして前者の方が心に適ったので、後者は封印し、『浄められた花嫁の告白』ではなく「浄められた花嫁の告白」を第十四回文学フリマに持って行くことに決めた。西瓜鯨油社発足当時の原理でもあり、その存在理由とも云える「物語」を再発見したのだ。その成り行きと思いつきで第十四回文学フリマの前日5月5日に開催されるCOMITIA100にも参加することになった。どうしてそうなったのかは2月29日以降、comitia申込完了記事で詳らかにする予定である。きっと君は落胆する。
 第十四回文学フリマにはいろいろなことがあるだろう。佐藤さんの非公式文学フリマガイドブック小説ガイドもひたひたと水面下で進行しているようだし、その他にも各サークルで様々な企画の動きがあるようだ。今年の5月で西瓜鯨油社は3周年、そして4年目に到達しようとしている。発足当時は自己顕示にばかり溢れていたけれど、今はサークル活動については枯山水の境地に達している。これを良いことだとは思わないし、悪いこととも思わない。有りの儘を感情もなく受け止め、処理していくことしか鯨には許されていないからだ。ただ当初の目的通り、西瓜鯨油社を装置とすることにもなんとなく成功していると思うし、何より生きるのが辛い。ただ一つ願うのはプロでもいいし、アマでもいいから「これは!」と思うものを皆には書いて欲しい。文章重視でもストーリー重視でもいいし、人間性中心でもエンターテインメント中心でもいい、すごいものを俎板に載せて料理してくれ。そしてそれを買って読みたい、夜眠る前に。
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by suikageiju | 2012-02-27 13:48 | 文学フリマ | Trackback | Comments(0)
非公式文学フリマガイドブック小説ガイド第二回編集会議
 2月11日土曜日にして建国記念日の午後3時。佐藤の佐藤さん、LOLの屋代さん、BLANK MAGAZINEの吉永さん・野条さん、そして西瓜鯨油社の牟礼鯨の総勢5人が神田にある取調室の如き貸会議室ワーカーズ倶楽部Aルームに集合した。4人用の部屋にいい齢した大人が無理して5人も揃い、暑苦しく膝と膝とをつきあわせて、これは一体何のために? それは勿論、昨年末に話し合われた「非公式文学フリマガイドブック 小説ガイド」の企画進行具合の確認と今後の進行調整について話し合うためである。君はきっと「おかしい」と思うだろう。前回は佐藤・屋代・鯨の変態3人組しかいなかったのに、なぜ今回はBLANK MAGAZINEというお洒落雑誌の2人が来ているのか、と。鯨も彼らの突然の参入には驚いた。聴いたところによると、この2ヶ月の間に佐藤氏が2人を勧誘して編集会議のメンバーに加えたというのだ。これで、未熟なまま体裁をなんとか整えるはずだった「小説ガイド」はデザイン面で戦力補強されたのである。
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 会議室の机に検討すべき同人誌を所狭しと並べ、微糖コーヒーとアルフォートを片手に運命共同体の5人は議論の階上に議論を重ねた。「この本はガイドブックに載せるべき内容のものか」「この作家は今回は出さず、次回作以降に期待した方がいいのではないか」「この本は今回俺が持って帰って読む」「このメールの送信者は本当に実在するのか」、忌憚ない意見の飛び交う編集会議は荒れに荒れ、前回と同じように事態を「拳で解決する」という事態に陥った。鯨は本を手放さない屋代さんの肝臓を殴り、野条さんはスズメバチの刺突のようなパンチで何も考えていなかった佐藤さんの顎を砕き、佐藤さんは佐藤さんで、いきなりの脱衣、そのうえで「おっぱい甲子園」の歌を歌い出した。そんな阿鼻叫喚の有様でも、5人はこのガイドブックをおもしろいもの、価値あるものにするためにはどうしたらいいか、文学フリマを盛り上げるにはどんな一石を投ずればいいのか、それら共通の目的のために真摯にひたむきに意見を闘わせ、集約された議決を蓄積していった。どんなに自分の文学的信念、思想信条が危機に瀕したとしても、5人はその目的だけは北極星のように見失わなかった、それだけが救いだった。そして会議開始から2時間後には「これは恥ずべきところのないガイドブックができるのではないか」そう思えるような青写真を、5月6日第十四回文学フリマに向けて提示することができるようになっていた。何かを達成した5人の目は脂ぎった野心によってぎらぎらと燃えている。鯨はそんな文学使徒たちの煮えたぎるような野性の姿を見て、身が震えた。これはイける、文学フリマの小説ジャンルのあり方を更新しうるガイドブックを世に送り出せるだろう、そう確信した。午後5時、5人は充実感とともに会議室を出て、神田の街の清澄な空気を吸った。
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 それからは打ち上げである。5人が同じもつ鍋をつつきあい、30代を超えた女性文芸同人作家の問題や文学フリマの展望、文藝と批評の温度差、文藝同人同士の交流の問題を語らい合い、やはり声優よりも二次元の方が可愛いと結論づけられた。そして新規参入のBLANK MAGAZINEにおける書き手とデザイナーとの出会いのすばらしさを何度も確認しあうことになる。この一次会でBLANK MAGAZINEの2人は帰路につき、鯨と屋代さんと佐藤さんの3人は神田の街を堪能すべく地下のパブに入っていった。
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 そこで話されたのは他愛もないことだ。LOLの参加メンバーの異常さや文芸同人界に巣喰う「踏み越えてはいけない先へとイっちゃった人たち」の話題、自費出版で営利をもくろむ出版社の問題など。それから『ガリア女』が「牟礼鯨はこちら側(変態)の人間ということの証明になった」というお言葉を戴き、あれを書いて世に問うて本当に良かったと実感した。またメンヘラ女を幾人もこなしてきた佐藤さんより、メンヘラ女の罵倒tweetは「好き」の裏返し、といういかにも手練れらしい意見をいただいた。ただこの意見が何の役に立つのかわからないけれど。そんなこんなで文学フリマ神田派の夜は更けていった。

 というわけで「小説ガイド」編集委員会は第十四回文学フリマに新刊で出す同人誌の自薦を募集しています。詳細はココ! 応募、待ってるよ!

前回の編集会議
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by suikageiju | 2012-02-12 00:06 | 文学フリマ | Trackback | Comments(0)
星を撒いた街

上林暁傑作小説集『星を撒いた街』

上林暁 / 夏葉社



 これは昨夕の古書ビビビ納品時に清算された利益で購入した夏葉社さんの本である。徳川店長曰く、夏葉社さんとは原田潤一郎さんと名乗る男性が吉祥寺で一人で切り盛りしている出版社とのこと。ホームページを見ると「いま生活をしている、都市の、海辺の、山間の、ひとりの読者が何度も読み返してくれるような本を作り続けていくことが、小社の目的です。」と書かれている。これは西瓜鯨油社の社是である「NON MULTA SED MULTUM」や『物語群』制作時の「列島放浪者が携える最後の一冊」という理念に通ずるところがあり、感銘を受け購入した。
 上林曉という作家を知らなかったけれど、この作家を知ることができて夏葉社さんとの出会いを幸運と呼べるようになった。『星を撒いた街』には七編の短編が収められている。短編は長編と違い、一篇一篇その細部までを支配できないと上々のものは書けない。そのことを前提として、短編の力量はたいてい最後で判ずることができる。書道の筆のぬき方と同じ心持である。「青春自画像」の「私たちは社に引き揚げると、社長以下、営業部の室に集って、サイダアを飲み、鮨を食い、するめを食った」や「諷詠詩人」の「私達は高い腰掛を降りた。連れの証券会社支社長は、話の間中、おとなしくじっと聞いていて、一言も言葉を発しなかった」の終わり方が特に秀でていた。今までの流れとは少しずれた描写を過剰に細部にまで見せて終わることで「おやっ? 」と読み手に強い読後の印象を残すのに成功している。これは余りずれ過ぎてもいけないし、勿論今までの流れをそのまま受けたものではその効果はなくなってしまう。大したものだ、と思って読んでいた。上林曉という名前はその短編「和日庵」で描かれていた鳴海要吉や秋田雨雀などといったエスぺランティストの名とともに記憶された。
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by suikageiju | 2012-02-05 22:16 | 感想 | Trackback | Comments(0)
『コルキータ』追加納品
 三宿での野暮用の帰り。池ノ上駅から下北沢駅まで一駅分の運賃を払うのももったいないので淡島通りを渡ると代沢から北沢への坂をのぼって道を左に折れた。茶沢通りに出ると右に曲がって、たどり着いたのは夜の古書ビビビさんである。今まで古書ビビビさんは昼間、それも開店してすぐの正午を襲っていたのだけれど、今回はほぼ初めてといってもいい夜の訪問となった。
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 夜の古書ビビビは暖かさで満たされていた。前回『ガリア女』を納品したのだけれど、敏腕店長の徳川さんがすべて売ってくださったので、密林社さんに在庫として眠っていた『コルキータ』8冊を返品してもらって追加納品したのである。苦渋の決断である。もちろんアマゾンで突如として空前のコルキータ・ブームが起こったらピンチなのだけれど、西瓜鯨油社のサークル運営者として数字が動いている拠点に冊数を置いておきたいというのは、責められることではないと思うのだむにゃむにゃ。
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 いつも西瓜鯨油社の本を置いていただいている出入り口前の棚に夏葉社さんの本がピース又吉さんの顔写真付きポップとともに置かれていた。徳川店長曰く数はかなり出ているとのこと。ネットで調べて見つけた「夏葉社は1万人、10万人の読者のためにではなく、具体的なひとりの読者のために、本を作っていきたいと考えています。」という島田潤一郎代表の言葉を読んで、こういう出版のあり方がひたひたと水の染み渡る様に広がってくれたらと思い上林曉『星を撒いた街』を購入してみた。

コルキータ

牟礼 鯨 / 密林社


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by suikageiju | 2012-02-04 20:42 | 古書ビビビ | Trackback | Comments(0)
QRコード
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 QRコードとは日本で開発されたマトリックス型二次元コードである。また、QRはQuick Responseの頭文字をとったもの、ということだ。上の画像は西瓜鯨油社ブログ(このブログ)へアクセスするためのQRコードである。自由に印刷してかまわないし、大量コピーしてもかまわない。シールに印刷して渋谷の電柱という電柱に貼り付けたり、教室の級友全員の机に貼り付けたり、ハガキに印刷してランダムに抽出した住所へ郵送したり。はたまたQRコードのサンプルにして使ったり、商用利用したりもできる。まさにパブリック・ドメインのQRコードだ。君の発想次第で自由にこのQRコードを利用して構わない。

QRコード作成&活用のすすめ
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by suikageiju | 2012-02-02 19:36 | 雑記 | Trackback | Comments(0)